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第1部   安定的発展への新たな要請と科学技術
第4章   産業の新展開に貢献する科学技術
第4節   共通的基盤的科学技術の動向
6   標準技術


測定の基となる単位について,国際度量衡総会は,長さ,質量,時間,温度等7種類の基本単位と,これらの組み合わせからなる圧力,力等の組立て単位から構成された国際単位系を世界で唯一の単位系とするよう勧告しており,我が国においても,日本工業標準調査会が工業規格(JIS)への国際単位系の導入の方針を決めている。

標準技術は,より精密,安定で高度なものへと移行しており,従来の原器等のようにハードウエア(器物)中心の標準確立に替えて原子構造に理論的根拠を置くソフトウエア(方法の指定)中心の標準技術,すなわち恒久的に変動がなく,かつ再現精度の良い原子標準に替えられつつある。

例えば,時間標準の場合,従来の天体運動を基本とした天文時から,セシウム133の原子振動を利用した国際原子時へと移行した結果10 -10 から10 -12 へと精度が向上し,我が国でも10 -13 の精度を持つ標準器を目指して研究している。

長さ標準としてのレーザの波長安定化技術も最近著しく進歩し,分子の吸収線を利用したヘリウムネオンレーザの安定度は10 -11 に達して,近い将来クリプトン86同位元素光源に代わろうとしている。

更に,X線干渉を利用したナノ(10億分の1)テクノロジー技術を確立し,アボガドロ数などの基礎物理定数を精度良く再決定するための研究,国際実用温度目盛りの13°K(絶体温度)以下の目盛り確立等極限状態における標準確立も,各国協力して研究が進められている。

また,各種純物資の相転位点を利用した圧力定点のように,再現方法の指定されていなかつた組立て単位についても,目盛りの確立が着々と進められている。

このほか,純水の密度や気体の粘度,密度などの物性定数についても,新しい技術を用いた精密測定が行われている。また,標準の効果的な利用を図るためにトレーサビリテイ(標準器又は計測器が,より高位の標準によつて次々と校正され,国家標準につながる経路が確立されている度合)体系確立のための方策が検討されている。


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