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第2部  科学技術活動の動向
第5章  主要国の科学技術政策
5  ソ連
(1)  概要


現在のソ連の内外政策の基本的方向は1971年3月に開催された第24回ソ連邦共産党大会の決議,指令等によつて定められており,その具体化は,第24回共産党大会決議等に基づくソ連政府の1971〜1975年度ソ連邦国民経済発展計画(いわゆる第9次5か年計画)によつて行われている。これによれば,科学技術の発展は,第23回共産党大会におけるよりも一層重要視されており,経済発展の基礎として位置付けられ,また,特に,産業技術の発展すなわち生産効率の向上のための新技術の開発とその早急な実用化が強調されている。

第24回共産党大会における中央委員会報告においては,科学技術発展の基本的方向が次のように論じられている。

1) 労働力を含め資源及び資金的に余力が少なくなつてきていることにかんがみ,生産を増大させるためには労働生産性の増加を早める必要がある。このため,第一の位置に置かれるべきものは科学技術の進歩の促進である。
2) 科学研究の効率の向上を図るため,将来性ある研究等に科学者の力を結集し,その研究成果を生産の場に移す必要がある。
3) このため,関係組織の活動を重要な生産課題の方に向けさせるとともに,企業は科学技術の最近の成果を取り入れることが必要である。
4) 工業自体の中での研究開発活動を強化する必要がある。
5) 科学技術の進歩を促進するに際し,天然資源の枯渇や環境汚染に留意する。

この基本的方向に沿いつつ第9次5カ年計画において掲げられている具体的課題は,1)機械・設備の近代化,2)生産物単位当たりの原材料所要量の低減,3)生産の電化及びエネルギー利用の高効率化,4)新材料の開発,5)生産工程の機械化及び自動化,8)加工工程における連続工程の導入,7)生産管理のコンピュータ化,8)科学技術情報流通の改善等である。

これらの技術革新を含めソ連の科学技術の推進は科学技術国家委員会及びソ連邦科学アカデミーが中心となつて進められている。

基礎的研究は主としてソ連邦科学アカデミーによつて行われており,応用研究ないし企業化研究は科学技術国家委員会の調整の下に同委員会付属の研究所,各省所管の研究所,企業の研究所等によつて実施されている。しかし,企業の研究ポテンシャルは,これに従事している研究者の数が全研究者の6%であることからも見られるように相対的に低く,政府の科学研究所等のポテンシャルを一層技術革新のための研究に動員する必要性が最近特に強調されている。このため,研究機関に対する経済的刺激策として政府及び科学アカデミーの研究機関に対し企業からの受託研究による収入の割合を増加させ,独立採算的運営に移行させるとともに,研究テーマの集約化を図りつつ技術開発に対する貢献度に対応して報償を与える等の方策が講じられている。

また,技術革新の進展を図るため,外国の先進技術の導入及びソ連国内における先進技術の普及が進められている。

第9次5カ年計画における科学技術部門への支出については,企業も含め第8次5カ年計画の支出額410億ルーブルの60%増とすることが予定されている。

第2-5-8表 科学技術関係予算の推移(単位億ルーブル)


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