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第2部  科学技術活動の動向
第5章  主要国の科学技術政策
4  西ドイツ
(3)  重要課題分野における研究開発の動向


連邦政府は,社会・経済分野における技術開発を重視し,第2-5-6表に示す技術分野を重要課題分野と定め積極的な研究開発を進めている。以下,このうちからエネルギー,環境保全及び技術革新のためのキイテクノロジーの3つを取り上げ,その動向を概観する。


1 エネルギー

西ドイツ政府はエネルギーの安定確保を目標として,原子力及び非原子力分野における研究開発計画をそれぞれ発表した。

原子力分野については,1972年に第3次原子力研究計画が終了したことにより,政府はこれまでの研究の成果を評価,検討し,1973年から1976年にわたる国の振興施策とその目標計画等を明示して,第4次原子力研究計画を1973月12月策定した。

本計画によると,電力に占める原子力の割合は,1971年には2%程度であつたが,1980年には25%,1990年には50%に達するものと見込まれている。

計画に要する総資金は約65億マルクであり,主なものは原子炉開発20億マルク,高エネルギー物理の研究11億マルク,核燃料サイクルの確立10億マルクであつたが,1974年1月に至り石油危機による経済政策上の考慮から総資金は約61億マルクに縮少されている。

また,非原子力分野のエネルギーについても新技術開発計画が決定された。本計画は,総資金約15億マルクで1974年から1977年にわたる4ケ年計画である。本計画の研究項目及び資金は次のとおりである。

本計画の主要項目は石炭のガス化・液化技術であり,計画達成後には,これによつて10〜15%の石油が代替されることが見込まれている。



2 環境保全

連邦政府の各研究機関において,水や大気の浄化,廃棄物の処理処分,騒音防止,自然保護などにつき研究を進めている。またドイツ研究協会に環境研究作業委員会を設け年間約2,000万マルクを支出している。

今後は,1971年9月に定められた環境第1次計画に沿つて,1)生物圏における環境の分析,2)環境汚染軽減技術の開発,3)新たな対策技術の3つを重点として研究開発を進めることにしている。また,以上の,ような環境条件の改善や人間生活の向上に関連して,ライフサイエンス分野の研究が特に重視され,マツクスプランク研究協会は基礎研究面を,研究技術省は目的研究面を強力に推進しようとしている。


3 技術革新のためのキイテクノロジー

連邦政府は,技術の全分野にわたつて西ドイツが世界のトップグループにあるようにするのは困難であるとし,技術革新の重点となる分野を西ドイツの国際競争を著しく困難とするおそれのある次のような分野に限つている。

すなわち,電子部品,通信・情報技術,光学技術,計測・制御技術・エネルギー技術,材料技術,加工・建造・表面処理技術であり,これらには原則として政府が50%の補助を行つている。

第2-5-6表 重要課題分野の研究開発費 (単位百万DM)


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