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第2部  科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
2  二国間協力活動
(2)  先進諸国との協力


先進諸国との協力活動は,協定や共同声明等に基づく活動をはじめ活発に展開されており,その協力分野も先進諸国共通の原子力開発,天然資源開発,環境問題への対処,宇宙開発,海洋開発,交通問題の解決等多方面にわたつている。協カ国はアメリカのほか,フランス,西ドイツ,イギリス,カナダ,オーストラリア,ソ連等の国があり,主として原子力利用の面で交流が行われてきているが,近年では,科学技術全般に関する協力活動も活発化しつつあり,1973年10月には,ソ連との間で,日ソ科学技術協力協定が締結された。

以下,日米間の協力活動とその他先進諸国との協力活動について,その動向を述べる。


1 日米協力

科学協力に関する日米委員会は,科学の一層の進歩のため,両国の科学者が直接に自然科学の全分野について相互協力を行うことを目的としている。我が国は科学技術庁及び文部省(日本学術振興会)が,またアメリカ側では,国立科学財団(NSF)がその調整,管理,助成に当たり,着実に成果を挙げ,科学協力の方式として高い評価を得ている。この協力活動は, 第2-4-3表 に示す8部門について行われており,基礎研究分野の協力に重点が置かれているのが特色である。

第2-4-3表 科学協力に関する日米委員会の研究協力分野

1973年7月ワシントンで開催された第12回委員会において,第8部門の名称がこれまでの「自然科学に関する特殊課題」を「自然科学に関する特殊又は境界領域の課題」に改められ,新たに環境問題のような複雑な課題が取り扱われることとなつた。また,環境科学における研究の促進に取り組むため1974年中にサーベイセミナーを開催することが決議された。

なお,科学技術情報については,1974年3月,東京で「一次刊行物の将来」に関するセミナーが開催され,日米両国の専門家の参加の下に活発な意見交換が行われた。

天然資源の開発利用に関する日米協力計画(UJNR)は,行政的ニーズの観点から協力を進めているものであり, 第2-4-5図 に示す19の技術専門部会と1つの委員会を中心に研究協力が実施されている。1973年6月東京で開催された第7回本会議では,大気汚染,水質汚濁の両部会を公害に関する日米閣僚会議へ移管することが決定されたほか,両国間の科学技術協力を一層強化するため,協力全般について検討することとした。

第2-4-5図 UJNR専門部会の組織

公害に関する日米閣僚会議は,両国の環境担当閣僚が環境問題の解決のための協力について協議を行うものであり,1970年に発足した。

1971年6月ワシントンで開催された第2回会議での合意に基づき,閣僚会議の下に技術部会として下水処理技術,固形廃棄物処理技術及び光化学大気汚染の3委員会が設置された。また,その後自動車公害対策委員会が設けられ,現在4つの委員会が活動を行つている。

日米運輸専門家会議は,1969年設置されて以来両国に共通した運輸問題について双方の専門家が情報交換又は共同研究促進という形で協力し,問題解決へのアプローチを行つている。その第6回会議が1973年5月,東京で開催された。本会議では大都市交通問題解決のための新システムの開発,自動車騒音対策,海上交通システム,海洋汚染対策及び道路交通規制問題が討議され,中でも環境問題解決のための討論が中心議題となつているのが特色といえる。

日本医学協力委員会は,アジア地域の保健に関する分野における協力活動としてコレラ,らい,低栄養,寄生虫病,結核,ウィルス性疾患及び突然変異・癌原の7部会が設けられている。1973年7月,第9回合同委員会がメリーランド州で開催され,日米医学協力計画の研究成果の評価及び将来にわたる本計画の優先順位の問題について検討がなされた。

原子力の分野では,昭和48年度末までに着工予定の27基(約2,000万kw)の発電用原子炉等に必要な濃縮ウランの供給が日米原子力協定により保証されていたが,今後の我が国の原子力発電の進展を考慮して上記27基分も含めた発電用原子炉の累計設備容量(最大約6,000万kw)に必要な濃縮ウランの供給を確保するため,同協定が改訂され,昭和48年12月正式に発効した。

宇宙開発の分野においては,1969年の「宇宙開発に関する日本国とアメリ衣合衆国との間の協力に関する交換公文」に基づく技術協力を進めるとともに,日米宇宙会議を我が国で開催した。また,1973年3月,我が国の実用衛星計画調査団が米国を訪問し,我が国において実用衛星を開発する場合の技術協力の可能性等について調査した。このほか我が国のアメリカのポストアポロ計画に対する参加協力の可能性についても検討を進めている。


2 欧州諸国,カナダ等との協力

近年,我が国の科学技術水準が次第に各国に認識されてきたことを反映して,巨大科学技術,環境科学技術等の分野における協力活動が西ドイツ,フランスなどの西欧諸国やカナダとの間で進展しつつある。

フランスとの協力について見ると,原子力の分野では,1972年に日仏原子力協定が発効して以来,原子力平和利用の面で積極的に研究協力がなされており,また,宇宙開発の分野では,国立宇宙研究本部(CNES)を中心に協力を推進することとし,相互間で専門家の交流等を通じて協力の具体化のための検討が行われている。

更に,日仏文化協定に基づく日仏文化混合委員会の下に1972年には科学小委員会が設けられ,日仏間の科学技術協力について検討が行われている。

西ドイツとの協力について見ると,1967年以来,定期的に科学技術担当大臣会談を開催してきたが,1973年10月ボンで開かれた科学技術担当大臣会談で日独科学技術協力協定締結のための交渉を早急に開始することが相互に表明され,具体的な協力を進めるべく両国間で検討が行われている。

一方,我が国と欧州宇宙研究機構(ESRO)は,1972年に双方間で書簡の交換を行い,これに基づき,宇宙科学技術及び宇宙計画に関する情報の交換,専門家の交換及び双方間に関心のある一般的問題等の協議を行うこととなつた。1973年10月,東京で第1回行政官会議が開催され,協力可能と考えられる分野について共同研究等を図ることとした。

カナダとの協力については,1972年カナダの科学技術使節団が来日し,科学技術協力に関する意見交換を行い,環境,宇宙,海洋の分野で継続的に情報交換を実施することに合意した。1973年11月には,我が国の科学技術調査団が訪問し,環境,海洋等の分野での協力を更に推進するとともに今後の政府間の協力を調整,促進するため定期的に会合するよう努力することとなつた。また,原子力の分野では,1973年6月,日加原子力会議がオタワで開催され,我が国から原子力委員が参加した。


3 ソ連との協力

ソ連との協力では両国間の科学技術分野における協力を促進するため,1973年10月,日ソ科学技術協力協定が締結され,科学者や技術者の交換,科学者や技術者による会議やシンポジウムの開催,科学技術に関する研究結果その他の情報の交換及び科学技術分野の共同研究等を行うこととなつた。原子力の分野では,昭和48年6月,日本原子力産業会議が原子力視察団を派遣したが,昭和49年1月にはソ連側からの原子力視察団が我が国を訪れた。

以上のほかオーストラリアとの間では1972年7月に発効した原子力協定に基づき,原子力の平和利用に関して両国間で専門家及び情報の交換,核燃料等の資材,設備及び施設の供給又は受領並びに役務の提供を行つているほか,スウェーデン,チェコスロバキアなどから多分野にわたる科学技術協力の中し出がなされている。


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