ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部  科学技術活動の動向
第3章  技術貿易及び特許出願の動向
1  技術貿易
(1)  技術導入



1 技術導入の全面自由化

我が国の技術導入制度は,貿易拡大を基調とする国際経済の動き,我が国経済の急速な発展などを反映して次第に開放的なものへと移行してきた。昭和43年6月には,それまで原則として全技術について個別審査を必要としてきたが,OECD加盟時の了解覚書等に基づき大幅な自由化が行われた。しかし,その後も我が国はOECD加盟国中唯一の自由化保留国のままとどまつていたが,昭和47年7月にそれまで個別審査対象として残されていた航空機等7分野についても次のように自由化が図られることとなつた。すなわち,

1) 航空機,武器,火薬,原子力,宇宙開発に関する技術について承認は原則的に日銀委託方式とする。
2) 石油化学に関する技術については,誘導品製造技術のみを除いて自由化し,引き続き48年1月1日からこれについても自由化する。
3) 電子計算機に関する技術は,対価5万ドルを超えるソフトウェア技術と10万ドルを超えるハードウェア技術を除いて自由化し,更に昭和49年7月1日からこれらも自由化する。

以上の措置によつて,期限付きではあるが全面的に技術導入の自由化が実施されることとなつた。


2 技術導入認許可件数の推移

技術導入認許可件数は,逐年大幅な増加を続けており,昭和47年度においても前年度に比し19.7%と大幅な増加を見,2,403件に達した( 第2-3-2図 )。


注)技術導入には甲種と乙種の2種類がある。契約期間又は対価支払期間が1年以上のものを甲種といい,それ以外を乙種という。

第2-3-2図 技術導入件数の推移

これを 甲種,乙種別 の増加状況でみると,乙種技術は対前年度増加率6%で487件と昭和4年度以降ほぼ横ばいの状態にあるのに対し,甲種技術は逐年急増を続け,昭和40〜47年度の年間平均増加率は約22%であり,昭和47年度も対前年度増加率24%,1,916件に達した。

次に甲種技術導入件数を導入先国別に見ると, 第2-3-3図 のとおりアメリカが過半数1,010件,52.7%を占めているのは例年と変りない。以下,西ドイツ228件(11.9%),イギリス154件(8.0%),フランス150件(7.8%),スイス116件(6.1%)と続き,これら5ケ国で全体の86.5形を占めている。乙種技術導入についてはアメリカが234件(48%)と半数近くを占め,次いでフランス(15%),西ドイツ(10%強),イギリス(10%弱)の順となつている。

第2-3-3図 国別甲種技術導入件数割合の推移


3 分野別技術導入件数

甲種技術導入件数の分野別構成比を見ると,昭和24〜47年度の技術導入件数の累計では,機械33.6%(一般機械,輸送用機械,精密機械器具の合計),電気17.7%,化学19.0%と,この3分野が全件数の過半数(67.6%)を占めている( 第2-3-2表 )。昭和47年度においても機械が32.5%(622件),電気16.7%(320%),化学13.8%(265件)であり,この主要3分野で全体63.0%を占め,依然として技術導入の主体をなしている。しかし,これら3分野の総件数に対する最近の比率は昭和44年度70.6%,昭和45年度66.3%,昭和46年度67.4%,昭和47年度63.0%と漸減傾向にある。

第2-3-2表 技術別甲種技術導入件数の推移

第2-3-4図 昭和47年度分野別,国別技術導入件数割合(甲種)

昭和46年度に比し特に増加率の著しいものとしては,建設工法等の110%増,食料品の80%増,服飾デザインなどを含む繊維・繊維製品60%増等が挙げられ,近年の需要の方向を示している。

一般機械,電気等の主な分野における技術導入件数を相手国別にみると,昭和47年度の全契約対象国27か国中,アメリカからのものが圧倒的に多く,全体の過半数を占め,技術導入先の中心となつており,次いで西ドイツ,イギリス,フランス,スイスなどからの導入が多い( 第2-3-4図 )。

乙種技術導入の分野別件数及び構成比を見ると,繊維が107件(22%),機械85件(17.5%),化学84件(17.2%)となつており,これら3分野で276件,56.7%を占めている( 第2-3-5図 )。一方,相手国別にみると,アメリカ(234件),フランス(73件),西ドイツ(50件)の順位になつており,この3ケ国で乙種技術導入の73.3%を占め,甲種と同様にアメリカからの技術導入が高いウエイトを占めている。

第2-3-5図 昭和47年度分野別乙種技術導入件数の割合


4 技術導入の特徴
1) 技術内容の特色
a 同一技術への集中

同一技術を複数の企業が外国企業から導入する「同一技術への集中」の度合は,その技術への関心の大きさを示すものである。

昭和47年度は,41種の技術が複数の企業に導入された。その件数は271件で,全甲種認可件数1,916件のうち14.1%と前年度の12.4%よりやや増加している( 第2-3-3表 )。この増加の内容は,電気関係での集中度が大であつたことによるものであり,他の分野は従来とはとんど変わつていない。また,1技術当たりの企業数は6.6と前年度の約2倍となつているのも前記電気関係技術に関する集中度(11.2)が前年度に比し大であつたことが影響している。

第2-3-3表 同一技術への集中状況

前年度の集中度5.4の2倍以上となつた電気関係の技術例としては,米国より合計108件という多数の導入が行われたテレビ受信機,ラジオ受信機,音響テープレコーダ等製造技術に関するもの及び前年度に引き続き米国より導入が行われたテープレコーダの再生用雑音減少装置の製造技術(16件)などが目立つている。

第2-3-6図 公害防止関連技術導入件数


b 主な技術分野の傾向
(a) 公害防止関連技術

公害防止に関連した技術の導入は,社会的にも強力な施策がなされている現状を反映し,逐年件数が増加している( 第2-3-6図 )。

昭和47年度には,対前年度比11%増に当たる90件を数えた。中でも集塵,塵芥焼却処理に関する技術が対前年度比2倍近くに急増し,一方前年度大幅な伸びを示した廃水処理に関する技術がやや減少している。


(b) 流通・消費関連技術・

近年の技術導入の特色として,生産関連技術の総件数に占める割合が漸減の傾向を示し,その他の分野の技術が大幅に増加している。この中で,特に増加の顕著な流通・消費関連技術について示せば 第2-3-4表 のとおりである。昭和47年度における導入状況では,総件数で見ると前年度の403件に比し680件と,68.7%の増加を見せている。中でも,テープレコーダ等を含む家庭電化製品(前年度の2.5倍),レジャー・楽器関係(同2.6倍),服飾・デザイン関係(同1.6倍)の急増が目立つ。

第2-3-4表 流通・消費関連技術の導入件数


(C) 電子計算機関連技術

電子計算機関連技術の導入は,昭和47年度にあつては,対前年度比約30%増の79件を数えた。これはソフトウェア技術の増加によるものであり,ハードウェア件数は逆に減少している( 第2-3-5表 )。

導入先国としては,ソフト技術の進んだアメリカから導入するケースが目立つている。また,甲種,乙種別に見ると,ハードウェアは圧倒的に甲種に集中し,ソフトウェアは,乙種の方に多く集つている。これは,ハードウェアには特許権等の法的保護があり,契約期間も特許に合わせて比較的長くなるが,ソフトウェアは法的保護がなく,開発,更新が激しく,価値の寿命が短い傾向にあることが関係するものと見られる。

第2-3-5表 電子計算機関連技術の推移


2) 技術導入契約上の特色
a クロスライセンス契約

昭和47年度における企業間で技術と技術を交換するいわゆるクロスライセンス契約は46年度の48件をはるかに下回る33件にとどまつた( 第2-3-6表 )。

分野別に見ると化学関係が13件と39%を占めている。また,前年度25件という多数のクロスライセンス契約のあつた電気関係は前年度のような同一技術に集中した契約もなく8件に減少した。なお,共同研究契約は4件でいずれも乙種となつている。

第2-3-6表 クロスライセンス契約の推移


b 特許のみの契約

昭和47年度におけるノウ・ハウを伴わない特許のみの外国技術導入契約(以下「特許契約」という。)は330件で,全体の17.2%を占めた。特許契約の甲種技術導入の全件数に対する比率は,昭和44,45,46年度で15.6%,14.6%,13.8%と減少傾向にあつたが昭和47年度は増加に転じた( 第2-3-7表 )。

技術分野別では,電気65.3%とほぼ3分の2が特許契約で占められることが注目される。化学,金属及び機械においては,特許契約ばそれぞれ全体の10形前後でそれほど高い割合ではない。この傾向は特に例年と変わらないが,昭和47年度において特に増加の著しい電気の分野では,家電製品の輸出に際し外国企業の特許使用許諾を受けなければならない例が多く見られる。

第2-3-7表 特許のみの甲種技術導入認可実績の推移


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ