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第1部  社会発展基盤の強化と拡大のために
第3章  新領域の開拓
第2節  資源の開発・利用の海洋への拡大
2  海洋の調査研究及び先行的共通的技術開発



(1) 海洋の調査研究

海洋に関する調査研究とは,海洋に関する情報を収集・分折する活動であるが,海洋に関する情報は 1)水温,密度,内部音速等に関する物理的情報 2)栄養塩,濁物,PH,重金属等に関する化学的情報 3)魚群,プランクトン, BOD, COD等に関する生物学的情報 4)海底地形,地質構造,海底重力,海底磁力等に関する地質学的情報に大別される。

これらの情報を収集する手段としては調査・観測船,航空機,観測塔及び観測所,ブイ,,人工衛星,無人航走体などが挙げられるが,このうち,調査・観測船による情報収集が上記4つの情報のいずれの場合にも中心的役割を果たしている。調査・観測船は,多種多様の計測機器をとう載して様々な地点を目的に応じて自由に観測し得るのでその活動分野が広汎にわたるのは当然であるが,特に近年,電子技術,通信技術などの発達により,計測機器の発達がめざましくXBT(投げ捨て自動記録温度計),STDO(多要素海象資料測定記録装置)等が実用化されることになつたことも調査・観測船による情報収集を有効ならしめている一因となつている。

また,最近特に注目を集めているのは,人工衛星による観測であり,海底重力,海底磁力等に関する観測,絶対位置の測定等に大きな成果を挙げている。今後,海水の透明度,水温,水深,溶存物質の濃度等の観測にも威力を発揮することが期待されている。


(2) 先行的共通的技術開発

先行的共通的技術として,現在進められている研究開発には,次のようなものがある。


1 シートピア計画

シートピア計画は,水深100メートルの海底に基地を設置し,4人のアクアノートが1カ月間居住して,基地周辺で作業を行い,人間の海中における作業能力,作業範囲,作業方法を究明するとともに,高圧環境下における人間の生理学的,心理学的研究を行い,この新しい海中作業システムの確立を目指すものである。

100mの海中実験の前段階として,昭和47年8月には30m海中実験を,また,48年9月には60m海中実験を実施し,いずれも成功した。


2 潜水調査船

一般海洋調査,水産資源調査,海底地形地質調査等には,調査対象を直接目視し得る潜水調査船が極めて有効であり,また,これを建造することは,材料,動力,通信等多くの面で海洋科学技術の水準向上をもたらすことになる。このため,国は,昭和43年に深度600mまで潜水可能な潜水調査船「しんかい」を完成させ,関係各省庁が共同して運航し,これまで海洋調査に多くの成果を挙げている。更に,昭和48年度からは資源の豊富な深海域の開発のため深度6,000mまで潜水可能な潜水調査船の調査研究を進めている。


3 高圧実験水槽

深海における調査開発機器の研究開発のためには,陸上において深海の状況を再現し,その中で試験研究を行う必要がある。このため,国は,昭和47年度から15,600mまでの深海の高圧環境を再現し得る高圧実験水槽の建造を進めている。


(3) 海洋環境保全技術

海洋環境保全のためにも,まず,海洋汚染の実態把握,物質循環機構,海水循環機構の解明等海洋調査が極めて重要である。このため,現在,水質汚濁の実態調査,汚染と自浄機構の調査研究などが進められており,また,水質の自動計測技術の研究,沿岸海域汚染監視技術の調査手法に関する技術開発も進められている。特に,瀬戸内海の汚染実態,自浄機構等を解明するために建造された瀬戸内海大型水理模型による研究成果が期待されている。

次に,環境保全技術については,排出油防除技術と排水処理技術を中心に開発が進められている。排出油防除については現在までに開発されている流出油捕収船,オイルフェンス,乳化剤について性能の向上のための研究開発が行われているが,いまだ十分とはいえない状況にある。排水処理については,排水の質と量の多様性に合わせて物理化学的,生物化学的方法など様々な処理技術の研究開発が進められている。また,温排水についてもその処理の研究が進められており,堆積汚泥についても,重金属類,PCB等を含むヘドロについて二次公害が発生しないような処理技術の研究がなされている。


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