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第1部  社会発展基盤の強化と拡大のために
第3章  新領域の開拓
第1節  エネルギーの供給確保と多目的利用に貢献する原子力開発
3  核融合


核融合動力炉は,これが実現すれば社界に偏在している化石燃料,ウランといつた地下資源に依存することなく海水の中に含まれている重水素等を燃料として半永久的にエネルギーの安定供給が可能となる。また,高い安全性が見込まれることから立地上の制約が大幅に緩和されるとともに,放射性廃棄物の問題も軽減されることが期待されている。

核融合の研究開発は,長い間,高温プラズマを安定に長時間閉込めることができる閉じ込め磁場の研究に重点が置かれてきた。しかし,昭和44年頃からは,ソ連で開発されたトカマク型の低ベータ・トーラス系装置を基に今後プラズマ加熱法の技術開発やベータ値を高めることなどにより,臨界炉心プラズマの達成までつなげ得るとの見通しが得られるようになつた。

このため,アメリカ,ソ連,西ヨーロツパ諸国において大型実験装置の建設又は計画が進められており,昭和50年代中頃には臨界炉心ブラズマの実現が期待されている。

第1-3-3図 低ベータトーラスの実験の進歩

特に,最近の環境問題,エネルギー危機などによつて,クリーンエネルギー源として核融合への期待が高まり,アメリカにおいては,5年程度その研究開発計画を短縮しようとする動きも見られる。

我が国においても,将来の核融合動力炉の実現を目指して日本原子力研究,所を中心として研究開発を推進してきたが,昭和47年4月日本原子力研究所に完成したトカマク型の中間ベータ・トーラス磁場装置(JFT-2)は,既に電子温度700万度,閉じ込め時間25ミリ秒のプラズマを発生させ,世界第1級の成果を挙げている。また,今後に予定されている磁場増強,周辺機器整備によつて,更に有益な成果が期待されている。

原子力委員会においては,これまでの研究成果を踏まえて,一層の研究開発の充実を図るため,核融合研究開発懇談会を設け,今後の研究開発の進め方等について検討を進めている。


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