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第1部  社会発展基盤の強化と拡大のために
第2章  資源・エネルギー基盤の強化
第1節  エネルギー源の多様化と有効利用
2  問題解決の方向と科学技術


以上の問題を解決するため,少なくとも次の3つの条件を満足させるような総合的な努力が必要であると考えられる。

1) 新エネルギー開発等によるエネルギー安定供給の確保
2) 産業構造の改善を含めたエネルギー利用の合理化,省エネルギー化
3) エネルギー開発利用の環境への影響の制御

このような観点から科学技術に関しても政府において種々の施策を講じつつある。

科学技術政策の総合的推進を図るための内閣総理大臣の諮問機関である科学技術会議は,昭和48年7月,エネルギー科学技術部会を設置し,深刻の度を深めつつあるエネルギー問題の解決に対する科学技術の役割の重要性から,エネルギーの供給と利用に関する科学技術の長期的総合的な研究目標の設定のための検討を開始している。

同部会の中間報告(昭和49年5月)によれば,我が国のエネルギー問題の解決には石油にかわることのできる確実なエネルギー源として有望視されている原子力利用の確立を図ることに加えて,化石燃料の利用技術の開発,地熱の開発利用,太陽熱の利用,核融合の研究開発,更にはエネルギーの効果的利用を環境保全と併せて総合的観点から推進していくことが必要であるとしている。

また,同報告はエネルギーの技術開発課題を短期,中期,長期に分け,各々の期間に相当量が社会に導入される技術を 第1-2-3表 のように整理している。

第1-2-3表短期,中期,長期技術開発課題


今後のエネルギー供給において原子力発電に対する期待は極めて大きく,原子力委員会の「原子力開発利用長期計画」(昭和47年6月)によれば,「昭和60年度には6,000万kw程度,昭和65年度には1億kw程度を原子力発電で賄うことが要請されており,安全性の確保,環境保全等に積極的に対処し,調和のとれた原子力発電を推進しなければならない」としている。

化石燃料の利用技術開発及び非枯渇エネルギーの研究開発について,通商産業省は「新エネルギー技術研究開発計画」を策定し,太陽エネルギーをはじめ,石炭のガス化・液化,地熱,水素エネルギーなどの無公害かつ無尽蔵のエネルギーを活用することにより,現行の石油を中心とするエネルギー体系を新しいエネルギー体系に代替するため,2000年までの長期計画と数年程度のテーマ別中期計画を立てて,研究開発を実施することとしており,このための体制整備を図りつつある。

,この計画で取り上げようとする技術開発課題は,太陽エネルギーの利用分野においては,熱発電,光発電,熱電子発電等の各種発電方式及び冷暖房利用技術,石炭のガス化・液化の分野においては,燃焼用や発電用の燃料及び燃焼技術並びに化学的利用技術,地熱エネルギーの分野においては,超深度,高温岩体・火山発電等各種発電方式及び熱水利用技術,水素エネルギーの分野においては,熱化学分解,熱分解,電気分解等による水からの各種製造技術及び貯蔵,輸送,利用方法等からなる水素利用システムなどそれぞれ極めて広い領域を有している。

科学技術庁資源調査会は化石燃料中,世界的に広く分布し,かつ最も埋蔵量の多い石炭を開発しエネルギー資源の多様化を図る必要があると考え,石炭のクリーン・エネルギー転換技術の研究調査及び最適法の実用化研究等を緊急かつ強力に推進すべきだとの報告を行つている。

また,エネルギーの合理的利用について,資源調査会エネルギー部会は「エネルギーの合理的利用に関する調査」を取り上げ,我が国のエネルギー利用の状況及び各分野におけるエネルギー節約の可能性並びにエネルギー利用効率向上の可能性に関する調査を48年度から開始している。

一方,我が国は今後エネルギー資源確保,環境(立地)問題などの制約が強まる事態に対処して,できるだけ効率の高いエネルギー消費を国全体で行つていかなければならない。昭和46年5月に出された産業構造審議会の中問答申「1970年代の通商産業政策」においても産業構造の知識集約化がうたわれているが,省エネルギー化の要請にこたえるための産業構造ビジョンを早急に策定し,その具体的な推進を図ることが引き続き積極的に検討されている。


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