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第2部   科学技術活動の動向
第5章  国際交流の動向
2  二国間協力活動
(1)  開発途上国への協力


わが国における開発途上国への技術協力は,留学生の受け入れ,研修生の訓練,専門家の派遣,機材の供与等を通じて着実な改善と進歩を示しており,年々活動は拡充されているが,諸外国の協力実績に比較すると,なお,かなりの見劣りがみられ,わが国に対してこの分野の協力の強化を期待する機運はますます高まつている。

まず,技術協力の実績について資金面からみると,技術協力総額は1960年当初に比し,約10倍に達し,逐年増加の一途をたどつている。昭和45年は77億76百万円で,前年の68億4千万円に比較して,13.6%の増加となつている( 第2-41図 )。

しかし,政府ベースによるものの総額に占める比率においては,DAC(OECDの開発援助委員会)加盟諸国の平均(20%強)を大きく下回つており,昭和45年では,4.7%にすぎない。また,わが国の二国間における政府ベース技術援助の技術協力総額に占める割合においても,昭和45年は5.8%で前年の5.6%をわずか上回つているものの,フランス(49.2%),西ドイツ(40.8%),イギリス(27.3%),アメリカ(21.2%)に比べると世界的に一段と低い状況にある( 第2-42図 )。

次いで,技術協力の内容,実態について訓練始動に関する技術協力と開発計画に関する技術協力に分けてその動きをみる。

訓練指導に関する技術協力は,留学生,研修生の受け入れ,技術指導者の派遣などの形態で展開されているが,第2-33表に示すように留学生,研修生等の受け入れは,政府ベースによる研修生が全体の半数以上を占めており,民間の研修生が約3割でこれに次いでいる。

これらの受入れ状況を地域別,国別にみると,東南アジアが圧倒的に多く,81.9%を占め,台湾(13.5%),タイ(12.3%),韓国(9.3%),インドネシア(9.2%)等からの受入れが多い( 第2-43図 )。

第2-41図 わが国のニ国間技術協力実績の推移

第2-42 DAC加盟国のニ国間政府援助に占める技術援助額の割合(昭和45年度)

第2-33表 留学生,研修生等の受入れ数の推移

第2-43図 留学生,研修生等の受入れ実績の地域別・国別内訳


技術指導者の派遣数の推移をみると,昭和36年以降大幅な増加をみせ,活発であつたが,昭和45年には対前年比16.5%減でかなりの減少を示し,政府ベースをはじめとするすべての形態で沈滞ぎみであつた。( 第2-34表 )。

その地域別,国別内訳をみると,第2-44図のように東南アジアが66.2%を占め,中南米の15.3%,アフリカの13.6%がこれに次いでいる。

第2-34 技術指導者に派遣数の推移

第2-44図 技術指導者実績の地域別,国別内訳

次に,開発に関するわが国の技術協力は,開発途上国の開発計画の作成およびその具体化に対してコンサルティングを行なうものと,企業の進出,建設工事への参加を通じて相手国の産業開発等に寄与するものとがあるが,これを政府ベースのものと民間ベースのものとに分けてみると,政府ベースの協力としては,鉱工業部門のプロジェクトを対象とする海外開発計画調査委託制度と,それ以外のプロジェクトを対象とする投資前基礎調査委託制度があり,これらはいずれも相手国の経済開発計画を作成するための基礎調査またはフィージビリティ調査を行つている。また,昭和45年度からは資源開発協力基礎調査の制度を設けてインドネシアで調査を行い,さらに,昭和46年度からは地域全体のより総合的な開発計画づくりのための調査制度として総合開発計画調査委託費の制度が発足し,46年2月に新たに設立された国際開発センター(IDC)に対して各省より委託することとなつた。次に政府の補助金を一部受け関連経済協力団体を通じて行われる民間ベースのものとしては,実情を把握するための調査である海外投資等調査費補助金制度,工場建設のための基礎調査から技術指導まで一貫して協力する海外中小企業技術協力費補助金制度,コンサルティング活動振興事業費補助金制度がある。

以上のほか,開発途上国に対する技術協力のなかで大きなウェイトを占める医療協力については,従来の専門家の派遣,研修員の受入れを主な内容とするのと異なり,昭和41年,わが国の医療協力プロジェクト方式を重点的に進める体制をとつて以来,年々と質量ともに拡充し,近年は高く評価されるに至つている。

これらの技術協力を通じて,わが国の技術協力に対する開発途上国の評価も年々高まりつつあり,各国から要請が多くなつてきている。また,開発途上国においては,近年科学技術が社会,経済,文化,等すべての分野にわたつて,その発展の基礎となるという認識のもとに科学技術を振興しつつあり,従来のような技術の指導や訓練にとどまらず研究協力を含めた高度な協力を求めるようになつている。


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