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第2部   科学技術活動の動向
第2章  科学技術情報活動の動向
2  科学技術情報の処理
(3)  専門分野情報センターの動向


専門分野情報センターは,特定の専門分野の情報の収集,分析,加工等を行なうものである。

まず,とくに公共性が強いため国が専門分野センター活動を行なつているものとして,農林省が食品工業分野について,環境庁が環境公害分野について,中小企業庁が中小企業向け技術文献について,それぞれ日本科学技術情報センターに収集,加工を委託し,その成果のサービスを行なつている。

このほかにも国立防災科学技術センターその他の機関でも活動を開始し,または開始しようとする動きが出ている。

次に,公共的機関による専門センター活動としては,日本原子力研究所が原子力分野について情報活動を行なつている。日本原子力研究所の活動は,国際原子力機関(IAEA)が昭和46年に設立した国際原子力情報システム(INIS)のわが国における担当機関となつたので,国際的情報ネットワークの一環として重要な位置を占めるようになつている。日本原子力研究所は,わが国で発生する原子力関係情報をINISの指定する主題ごとに分類し,必要な書誌的事項とキーワードを付与してコンピュータファイルにし,抄録と入手が困難な文献をマイクロフイッシュにしてIAEA本部に送付する。これよよもにINISに加盟している41か国および11国際機関の情報を入手し,サービスを行なつている。なお,日本原子力研究所は,この業務を実施するにあたり,医学生物学系の情報については(財)国際医学情報センターに,その他放射線利用や境界分野のものについては日本科学技術情報センターに,それぞれ加工を委託するなど関係機関との協力体制の充実も図つている。

さらに,公益法人等による専門センター活動としては,医療分野や産業技術分野等ていくつかの機関が活動している。まず,医学の分野においては,医学中央雑誌刊行会が古くから国内文献の抄録誌「医学中央雑誌」の編集を行なつている。また,慶応大学医学情報センターの業務の一部を引き継ぎ昭和47年4月に設立された(財)国際医学情報センターは,国内文献の一部を索引化しMEDLARSへのインプットを行なつているほか,医学文献の抄録化,調査,翻訳や文献検索サービスを行なつている。なお,MEDLARSのアウトプットは国際医学情報センターの協力を得て日本科学技術情報センターが処理している。

一方,産業技術の分野においては,工業所有権に関する内外の情報を処理するため,昭和46年6月に日本特許情報センターが設けられ,国内特許や実用新案の機械検索サービス,特許等の抄録誌,索引誌の発行等を行なつている。とくに力を入れている機械検索サービスについては,昭和30年からの約90万件にのぼる特許と実用新案の書誌的事項に関するデータを蓄積した「第1検索システム」によるサービスを行なつており,またファセット分類により技術的内容を蓄積した「第2検索システム」を準備中である。さらに,中小企業の技術情報に関する必要性が増大しているため,これら中小企業に代つて技術情報の収集,加工を行なう機構の設立が準備されている。

これほか,機械,電気等の分野においては(財)船舶振興会図書館による船舶工業関係のサービスが,材料技術等の分野においては,日本医薬情報センターによる日本医療文献抄録カードや医薬文献週報の刊行,化学情報協議会による情報サービスのための準備などが行なわれている。

これらとともに,情報化時代の先べんをつけるべく,民間の研究所や書籍の流通業者なども科学技術情報の流通部門に進出してきており,また,特許を中心としたベンチャー・ビジネス的な技術情報サービス企業もいくつか進出している。

このようにいくつかの専門分野情報機関が活動を進めているが,いずれもまだ基礎固めの段階にあり,その活動は十分とはいえないものが多い。また,若干の例外を除いて,それぞれが独自に活動を行なつている状態であり,機関相互の連携も十分とはいえない。さらに,専門分野情報センターの業務についてみても分析技術等はまだ十分に確立されているとはいい難いものもある。

このため,科学技術庁では「海洋科学技術」,「電子通信」について総合レビュー活動の推進を行なうなど,これらの活動の強化を図りつつある。


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