ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  組織別の研究活動
(1)  民間企業の研究活動



(1) 研究費

民間企業の研究費は対前年度比8.7%増の8,950億円となり,全研究費中66.5%と大きな比重を占めている。その研究の内容は新製品の開発や製造技術の改良などに結びつく開発研究に重点がおかれており,民間企業の研究費の65.0%がこれに使われている (前述第2-8図)

研究実施会社数を資本金1億円以上の会社についてみると,昭和47年4月1日現在の研究実施会社数は対前年比6.45増の2,820社となつたが,全会社数が対前年比11.4%増となつたため,全会社数に対する研究実施割合は前年の52.3%から49.9%に低下した (第2-5表) 。この研究実施割合を資本金規模別にみると,研究実施会社数の割合は,資本金が多くなるほど高くなつており,資本金が10億円以上100億円未満の会社では73.0%,100億円以上の会社では86.6%が研究活動を行なつている (第2-5表)

研究実施会社数の割合を業種別にみると,研究実施会社数の割合の高い業種は,精密機械工業(89.7%),ゴム製品工業(83.6%),電気機械工業(81.4%),化学工業(78.8%),非鉄金属工業(78.1%),機械工業(77.6%)などであり,逆に低い業種は,運輸・通信公益業(4.3%),農林水産業(24.1%),建設業(38.5%),繊維工業(41.6%)などとなつている (第2-6表)

第2-5表 資本金規模別研究実施会社数

また,全研究実施会社数における産業別,業種別の研究実施会社数の構成比をみると,製造業が88.8%とそのほとんどを占めており,なかでも化学工業,機械工業および電気機械工業などの業種がそれぞれ全産業に対して15.3%,12.0%,9.8%と大きな比率を占めている。

昭和46年度の会社等の研究費を産業別にみると,製造業が90.6%と大部分を占めている。

業種別では電気機械工業25.6%,化学工業21.6%,輸送用機械工業12.6%となつており,この3業種で,全産業の半分以上を占めている (第2-7表)

この3業種は製造業の中でも研究集約的産業であり,戦後の技術革新の中心的業種であつたことからみて当然といえよう。これについで機械工業8.4%,鉄鋼業4.6%,食品工業3.1%などとなつている。

次に,昭和46年度の研究費を,昭和36年度の研究費を100とする指数で示すと,全産業では546となつているが,このうち,産業別では建設業が798と伸びが大きい (第2-8表) 。また,業種別にみて伸びが大きいのは,機械工業863,精密機械工業778,輸送用機械工業678などである。ちなみに,この間の国民所得の伸びは418であつた。対前年度比の伸び率では,建設業が71.3%増と大幅増,農林水産業が44.7%減と大幅減であつたのが注目される。

第2-6表 会社等の業種別の研究実施会社数

第2-7表 会社等の研究費の業種別構成比

第2-8表 指数でみた会社等の研究費の伸び

主要国における産業界の研究費の構成比とわが国のそれとを比較すると,アメリカ,フランスにおいては航空機・ミサイル工業が全研究費の3分の1を占めているが,わが国では輸送用機械工業のなかにわずかに含まれているだけである (第2-15図) 。西ドイツはわが国と非常によく似た構成比率となつているが,わが国よりも化学工業,自動車工業,航空機工業のウェイトが高くなつている。

第2-15図 主要国の産業界の研究費の業種別構成比率

わが国の民間企業の研究費を対売上高比でみると,全産業では,昭和41年度に1.04%であつたものが,45年度には1.33%,46年度には1.39%となつた。業種別では,46年度においてこの比率が高いものは,電気機械工業(3.37%),化学工業(2.56%),精密機械工業(2.49%),機械工業(1.78%)などとなつており,この中には売上高の減少した業種もあつたが,いずれの業種も研究費が増加し,この比率が上昇していることが注目される(第2-16図)。また,対売上高比率(全産業)を主要国の間で比較すると44年度においてアメリカ4.0%,フランス3.2%(43年度),西ドイツ2.8%となつており,わが国の1.4%よりもはるかに高くなつている (第2-9表)

第2-16図 研究費の対売上高比率の推移

これらの主要国の研究費の中には政府負担分がかなり含まれているので,企業負担分だけについてみるとアメリカ2.2%,フランス2.0%(43年度)となるが,やはりわが国よりも高率である。なお,アメリカおよびフランスの場合,対売上高比率の著しく高い航空機・ミサイル工業が大きなウェイトを占めていることを考慮する必要がある。

研究費の費目別構成比の推移をみると,人件費の占める割合は,昭和36年度の32.7%から徐々に増加し,41年度44.0%まで上昇してきたが,その後減少をみせ,45年度は39.7%となつた。しかし,46年度は42.4%と再上昇している (第2-17図) 。原材料費の占める比率は毎年ほぼ一定であるが,その他の経費の比率は徐々に増加している。

第2-9表 主要国の業種別研究費の対売上高比率

第2-17図 会社等の研究費の費目別構成比の推移

研究者1人当りの研究費は全産業で平均805万円となつており,これを産業別・業種別にみると,その多いものは,石油・石炭工業1,855万円,運輸・通信公益業1,634万円,輸送用機械工業1,459万円,鉄鋼1,216万円,鉱業1,032万円などであり,少ないものは出版・印刷業332万円,農林水産業374万円,金属製品工業386万円などである。

第2-10表 会社等の業種別の研究者1人当り研究費


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ