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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
3  科学技術人材の養成および処遇の改善


科学技術人材の養成については,昭和41年の科学技術会議の意見(科学技術振興の総合的基本方策に関する意見)において,人材の量の確保とともに人材の質の向上が強調され,教育段階別,専門分野別の検討とこれに基づいた養成計画が必要であると述べており,この方向に沿つて人材の養成が行なわれてきた。

しかしながら,近年,科学技術の専門化,高度化の著しい進展,多領域および境界領域の研究開発の増大,高い創造性への要請の高まりなどがみられるので,科学技術会議は,昭和46年4月,内閣総理大臣より諮問をうけた「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」の答申において,1970年代の人材養成には,従来からの分野別の高度な専門能力を有する人材に加えて,新しい課題に対応する人材が重要となつてくることを予想してその対応策の必要性を指摘している。

すなわち,(1)環境科学技術,ソフトサイエンス,ライフサイエンスなど多領域の研究開発を推進する新しい分野の研究者の育成(2)科学技術者のさまざまな能力を的確に把握して,適切な活動部面を用意して,組織全体として高度に機能しうるように管理するリサーチ・スーパーバイザー,プロジェクト・マネジャーなどの人材の養成(3)旧来の種々の制度的な制約や,せまい企業目的からの制約などにとらわれず,個々の研究者の創造的能力および組織全体の創造性を高めるような環境の整備(4)一つの仕事や職務に長年従事する場合は視野が固定化され,知識が陳腐化するおそれがあるので,部内部外における再教育への参加,内外の学会への出席などによる開発を行なう機会の増大が必要である。

一方,新しい時代に対処する教育制度については,中央教育審議会が,昭和44年7月より今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策に関する審議を進め,昭和46年6月答申をとりまとめた。この中で今後の高等教育は時代の進展に即応して複雑な課題の解決に取り組む総合的な能力と基礎的な教養を養うものであるべきだとされている。また高等教育を一定年令層の学生や特定の基礎学歴のあるものだけでなく,広く一般に対して開放し,再教育のための受入れを容易にするとともに,学校教育の伝統的な覆修形態以外の方法による教育の機会を与えることも必要であるとしている。

次に,科学技術者が創造的能力を十分に発揮するには研究環境の整備とともに適切な処遇を図つていくことが肝要であるが,科学技術庁は研究公務員の処遇改善について毎年,人事院に対し申入れを行なつており,昭和46年度はとくに,筑波研究学園都市へ移転する職員および研究補助員の処遇改善を中心に要望を行なつた。その結果,筑波研究学園都市移転手当が新設され,研究環境の整備を目的とする筑波研究学園都市の建設が一段と促進されることとなつた。

また,研究補助員についても高率の給与引上げが行なわれたほか一部在職者調整が実施され,また研究サービスの改善による能力の向上がはかられた。このほか,研究員の上位等級定数および所長などの指定職俸給表適用者数の増加など全般的に処遇の改善が図られた。


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