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第2部   科学技術活動の動向
第4章  主要国の科学技術政策
3  フランス
(1)  科学技術政策の基本的方策


1969年4月,科学技術研究諮問委員会は「フランスにおける科学技術研究の展望」と題する報告書を作成し,閣僚会議に提出した。この報告書は1980年までの科学技術政策の考え方について政策一般から研究の各分野にわたつてかなり具体的に述べているが,その要旨は以下のとおりである。


(1) 基本指標
1) 研究投資のGNPに対する比率を毎年0.1%ずつ増加させ,1980年において3.5%とする。
2) 研究開発費の基礎研究と開発の割合に関し,十分調和を図り,今後は開発に重点を移行させ,1980年においては基礎・応用研究は35〜40%,開発は60〜65%にすることを目標としている。

(2) 研究開発の重点
1) 経済的,社会的効率を考慮し,研究開発費用の回収が可能な技術開発政策を進めなければならない。
2) 現在航空機,エレクトロニクスに投資が集中され,建築,農産品工業のような分野ではほとんど研究が行なわれていないが,研究開発は特定の分野にだけ集中されるべきではなく,経済的効果を考慮しつつ全体として調和を保つように努めるべきである。

(3) 産業の役割
1) 企業の研究投資の対売上高比率はアメリカに比べて同等ないしは上回つており,この割合を近い将来において急速に増加させることは困難である。
2) フランス産業界が競争力をつけていくはめには,研究開発の成果が工業化され,商品化されることが重要であり,この開発努力をさらに強めていかなくてはならない。
3) 産業規模からみて,フランス1国で国際競争に耐えるものを実現することが困難なものについては欧州としての共同化を考えなければならない。
4) 産業界の開発振興の方策としての委託研究のやり方においては,無用の競争を避けるように努める,企業に適正な利潤を保証するなどの点に留意する必要がある。

(4) 国の施策
1) 大型プロジェクトは,フランス1国ではまかないきれないものもあるので,その設定にあつては国際協力の可能性を念頭におき,計画を進めなければならない。また,大型プロジェクトは威信よりも経済性を第一義として設定しなければならない。
2) 開発援助の制度は十分成果を挙げていると見られるので,今後とも継続していくべきである。

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