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第2部   科学技術活動の動向
第4章  主要国の科学技術政策
1  アメリカ
(2)  研究開発予算


このように,アメリカにおいては,研究開発に対する政府の役割がきわめて高いが,ここ数年政府資金支出の伸び悩み傾向が続いており,1969年度にはついに前年度の支出額を下まわるという事態が生じ,産業界等は大きな衝撃を受けている。科学技術関係予算の機関別の推移を 第2-32表 に示すと,航空宇宙局(NASA),原子力委員会などにおける予算の縮少が目立つている。

第2-32表 科学技術関係予算の機関別の推移

このように,政府の研究開発予算が停滞ないしは減少しはじめたのは,ベトナム戦争の縮少などによつて軍事費が次第に削減されはじめたこと,宇宙開発プロジェクトが峠を越したこと,米国の政策の重点が従来の国際問題から社会福祉,公害防止などの国内問題に移されたことなどにより,軍事費と宇宙開発費に付随して支出されていた研究開発費も大幅に削減されることになつたからである。

しかし, 第2-32表 にもみられるとおり,軍事,宇宙開発および原子力開発予算を除く一般科学技術予算は着実に増加している。

軍事予算と宇宙開発予算の削減によつて,これらの政府予算に大幅に依存していた防衛産業,航空・宇宙産業,電子工業などが大きな打撃を受けたことは言うまでもないが,研究開発業界もこれに劣らぬ大きな影響を受けている。防衛産業,航空・宇宙産業,電子工業などのメーカーが国防省,航空宇宙局などの政府機関から研究開発について多くの委託を受けているのは当然であるが,大学および独立の非営利研究機関でも同様の立場にあるものが少なくない。とくに,シンクタンクと呼ばれる非営利研究機関は,政府予算依存度が高かつただけに大きな打撃を受けている。


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