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第2部   科学技術活動の動向
第4章  主要国の科学技術政策
1  アメリカ
(1)  現状


アメリカの科学技術活動は国防,原子力開発,宇宙開発を中心に研究開発が進められてきた。

近年,国内外の情勢が複雑化し,新しい問題が発生しているので,これに対処するため,科学技術に寄せられる期待は一段と大きくなつている。これを反映して,ニクソン政権においては,ケネディ,ジョンソン政権時代に引き続き,科学技術の研究開発予算は,つねに,“前年度を上廻る”ことを方針としているが,実情は必ずしも大統領の意向を反映したものとはなつていない。すなわち,国防費,原子力開発費,宇宙開発費の削減が大きく,このほかの分野の研究開発費の伸びがそれを埋められないため,政府の研究開発予算は停滞ないしは減少している。

1968年度の研究費総額は250億ドル(9兆円)と巨額であり,政府は総額の60%に相当する150億ドル(5兆4千億円)を負担している。このうち政府は35億ドルを使用しているに過ぎず,その他の巨額の資金を産業界,大学および非営利研究機関に支出することによつて,積極的に研究活動を推進している。

一方,産業界は自ら110億ドル(4兆円)を超える巨額の研究開発資金を支出しているのに加えて,政府から年間82億ドルの資金を委託研究費または補助金の形で受取つており,国際競争力の培養という立場からみると非常に優位に立つているということができる。

また,大学における研究開発費の使用額は約27億ドルであるが,このうち政府から15億ドル強の資金援助を受け,大学は基礎研究の分野で大きく貢献している。

さらに,非営利研究機関は研究費こそ少ないが,システム技術,社会開発関連技術,未来予測など特殊な問題の研究開発に威力を発揮しており,アメリカの開発体制の中で特異な存在となつている。


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