ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   科学技術活動の動向
第2章  科学技術情報活動の動向
1  国内の動向
(1)  NIST構想実現化への動き


科学技術情報の円滑な流通は,科学技術の進歩のために不可欠の要件であり,科学技術政策の一環として強力に推進されなければならないとの基本的認識に立つて,科学技術会議は昭和44年10月に「科学技術情報の流通に関する基本的方策」について答申した。

この答申では,科学技術情報の円滑な流通のためにはオペレーティング・センター,地域サービス・センター,専門センター,データ・センター,研修機能,研究開発機能等の各種機能をもつ機関が必要であり,これらの機関を個々に整備するだけでなく,これらを有機的に結合させ,効率のよい流通システムとなりうるよう全国的なネットワークによつて結びつけることが必要なことを示したNIST構想が明らかにされた。

NIST構想が発表されて以来,日本科学技術情報センター,国立国会図書館等既設の情報機関の整備が進むとともに,日本特許情報センター,日本医薬情報センター等の情報機関が設立され,また長野県技術情報センター,周南文献情報連絡会等の地域情報活動機関も相次いで活動を開始している。このように情報活動はますます活発化する傾向にあるが,今のところこれらは個々の機関の整備にとどまり,各機関が有機的な連携のもとに効果的な情報流通体制を確立するまでに至つていない。

また,科学技術庁では,NIST構想の具体化を進めるために,昭和45年6月から学識経験者16名からなるNIST検討委員会を設けて検討をつづけており,これまでに「クリアリング機構の整備」と「地域サービス・センターの整備」につき中間報告をとりまとめ,さらに中央の情報活動機関等につき検討を重ねている。

以下,同検討委員会の中間報告の概要を述べる。


(1) クリアリング機構の整備

今日の研究開発は大規模で多分野にまたがる研究開発の増加,研究開発期間の短縮等によつて特徴づけられ,これをささえる基盤としての情報活動は,伝統的な二次情報サービスだけでは充足しきれない情勢となつており,これを補完するものとして,クリアリング・サービス,すなわち情報源としての機関,専門家,集会等に関する情報あるいは進行中の研究開発に関する情報サービスを求める声がとみに高まつてきている。

このような情報を得ることは,既に公開された情報(文献)を知ること以上に,関連情報の入手,重複研究の回避などに直接役立つのみならず,協力関係の確立による情報入手経路の拡大あるいは具体的な研究の委託,共同研究への発展など大きな効果が期待される。

諸外国についてみると,アメリカでは早くからこのようなサービスの必要性を認識し,その体制を確立しており,その他の先進国においても何らかの形でこのような機能を果たす機関をもつている。

わが国においても,情報機関,研究機関,教育機関等がそれぞれ部分的ではあるがこの機能をもち,充実しようとしている。しかし,国全体として管理する機関がないため,十分な効果をあげるに至つていない。したがつて,効率よく,信頼度高くしかも経済的な情報システムとするための機能を整備する必要がある。この準備段階として,当初この機能を日本科学技術情報センターにもたせることとし,このサービス体制を確立するのが適当である。


(2) 地域サービス・センターの整備

科学技術情報を利用する場合,東京から遠隔の地にある利用者にとつては,交通,通信手段が発達したといつても相対的格差はなくならず,入手時間の遅れあるいは高料金といつたハンディキャップを負うことになるので,その対策としては,利用者が高料金を承知の上で特別な手配が可能なルートと,日常的な情報要求を大量,簡便かつ安価に充足するルートとが併存することが望ましい。

地域サービス・センターは,後者の役割をになうとともに,地域における情報活動の水準向上に資することを目的とするものである。したがつて,その業務には,資料の閲覧,保管,複写,刊行物の提供等の事務的なもの,情報検索のような調査サービス,クリアリング・サービス等の専門的なもの,さらにはコンサルテーシヨン,情報処理に関する教育等の情報学の知識ど経験を必要とするものを含める必要がある。

このような地域サービス・センターを整備するにあたつて留意すべき事項として,1)科学技術図書館としての機能も果たすため,二次資料はもちろんのこと利用度の高い一次資料をできるだけ保有し,地域デポジトリー(資料館機能)体制の中心的役割をになえるようにすること,2)将来は中央の情報機関とオンライン化を図り,コンビユーターを利用した情報検素システムの活用も含め,調査活動範囲を拡げること,3)情報フアイルを災害等から守るため,地域サービス・センター相互間あるいは中央の情報機関との間でフアイルを効率よくオーバーラツプさせること等が指摘され,さらには,地域サービス・センターの設置,運営にあたつては,自治体あるいは国の積極的な指導,援助が望まれるとしている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ