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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
2  科学技術人材の養成および処遇の改善


科学技術者養成については,科学技術会議は,さる昭和35年において10年後を目標とした科学技術振興方策を答申したが,そのなかでとくに理工学系科学技術者については,社会経済の発展に対応して昭和35〜45年間に46万3千人の需要数を推定し,これに対して高等教育機関学生定員が,昭和35年の状態を続けるとすれば,昭和45年には約17万人の供給不足を生ずると指摘した。この指摘にもとづいて高等教育への進学者の急増などに対処して,昭和36年度以降逐年理工学系高等教育機関の拡充が実施された結果,昭和4年までの10年間の理工学系卒業者数は40万人に達し,最終年次である昭和45年で当初の目標が達成された。

以上のとおり,理工学系科学技術者養成の量的側面に関しては,1960年代においてすでに一応の整備がはかられたとみられるが,一方では,科学技術者として要求される資質の高度化などの要請がとみに高まり,かかる要請にこたえる人材を育成することが70年代の中心課題としてあげられている。このような新しい時代の要請に対処して,教育制度については中央教育審議会において,昭和44年7月より高等教育の改革に関する問題の審議を進め,昭和45年5月「高等教育の改革に関する基本構想」として中間報告が行なわれ,昭和46年に答申がとりまとめられる予定である。

また,科学技術会議においても,内閣総理大臣より諮問をうけた「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」の審議を行なつており,科学技術人材の養成に関しても,検討が続けられる。

産業界の第一線に従事する技能者に対する教育訓練について,その重要性はますます強まつているが,昭和44年に施行された新職業訓練法のもとで,生涯を通じて必要な時に適切な訓練をつけることができるような体制の確立をはかつた。

また,技術者,技能者を対象とする教育工学的な新しい教育,訓練方法の開発も前年度に引き続き推進された。このほか,技能検定職種の拡大が行なわれ,昭和45年度には新規職種10職種が追加されるとともに,11月には第19回国際職業訓練競技大会(技能五輪)がアジアで初めて日本において開催され,職業訓練および技能職に対する一段の認識と理解が深まるとともに,わが国の職業訓練と技能者が国際的に高く評価された。

科学技術者が,その高度の知識と創造的能力を十分発揮するためには,安んじて本務を遂行できるように研究環境の整備をするとともに適切な処遇を与えることが肝要である。

科学技術庁は,毎年研究公務員の処遇改善について,人事院に対して要望を行なつている。45年度は,とくに中堅以上の研究者の処遇改善を中心に行なつた。その結果,給与については,公務員の平均(12.67%)を約2%上回る14・27%の引上げが行なわれたほか,中堅研究員を中心として,平均1号俸に相当する俸給の引上げ(在職者調整)が行なわれた。また,研究員の上位等級定数および所長などの指定職俸給表適用者数が増加するなど全般的に地位の向上が図られた。


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