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第3部   政府の施策
第2章  政府機関等における研究活動
2  特殊法人研究機関における研究活動
(1)  研究活動の概要


特殊法人研究機関における研究活動は,政府の研究活動の一環ともいうべきもので,その果たす役割りは大きい。その財源は,主として政府の出資金および補助金,民間から導入される資金などによつている。

特殊法人研究機関は,産官学の優れた人材が結集しやすいこと,民間からの資金導入が図られること,研究活動が効率的,弾力的にできることなどの性格により,基礎研究の総合的な推進,大規模な研究開発の効率的,計画的な推進を行なうのに適している。

こうした性格から原子力開発や宇宙開発などのように巨額の資金を要し,多数の人材を活用するとともに運営の弾力化を図らねば目的を達成できないような分野については,特殊法人形態による研究機関が大きな役割りを果たしている。

特殊法人研究機関について政府出資金などの推移をみると, 第3-17表 に示すように,その額は年々増加している。

第3-17表 特殊法人研究機関に対する政府出資金等の推移

次に,これらの特殊法人研究機関の研究活動の概要について述べる。

理化学研究所では,科学技術に関する試験研究を総合的に行なう研究機関として,物理,無機化学,有機化学,生物化学,電気工学,機械工学などの各般にわたる研究を行なつている。とりわけ,近来とくに重要視されている境界領域の研究や総合研究において優れた研究成果をあげている。

日本原子力研究所では,原子力に関する基礎研究および応用研究,原子炉の設計建設および運転などを行なつている。原子炉などの研究開発では,高速増殖炉,高温ガス炉,軽水炉等に関する研究を推進するとともに,ウラン濃縮技術の研究開発,核融合の研究などを進めている。また放射線利用に関しては,エチレンの放射線重合,トリオキサンの放射線固相重合などの放射線化学研究および食品照射研究を手がけている。

動力炉・核燃料開発事業団では,高速増殖炉および新型転換炉の新型動力炉の研究開発,ウラン濃縮,プルトニウム燃料などの核燃料の研究開発,使用済燃料再処理施設の建設,ウラン資源の調査,探鉱および製錬などを行なつている。

日本原子力船開発事業団では,近年の船舶の巨大化,高速化の傾向に即応して,高出力推進機関として原子力エネルギーを利用した原子力第一船「むつ」の建造を行なつている。

宇宙開発事業団では,わが国の宇宙開発の中核的な実施機関として,人工衛星および人工衛星打上げ用ロケットの開発,人工衛星の追跡およびこれらに必要な方法,施設および設備の開発などを進めている。

農業機械化研究所では,農業機械化を促進するため農業改良に関する試験研究および調査,農業機械の調査およびその成果の普及を行なつている。

このほか,政府関係機関である日本てん菜振興会,日本専売公社,日本電気計器検定所,日本国有鉄道,日本放送協会および日本電信電話公社は研究を本務としていないが,それぞれの事業を遂行していくうえに必要な研究活動を行なつているが,その概要は次のとおりである。

日本てん菜振興会てん菜研究所は,主として,てん菜の優良品種(耐病性,高糖性,多収性など)の育成および栽培法の改善などてん菜に関する試験研究を実施している。

日本専売公社中央研究所においては,専売品であるたばこ,塩およびその副産物について,基礎,応用,実用化研究を行なうとともに,たばこ製造用器具類の改善について試験研究を行なつている。

日本電気計器検定所は,電気計器の試験の自動化,電気標準の精度向上,自動検針器の開発,電力量計の性能の改善などを中心に研究を行なつている。

日本国有鉄道の鉄道技術研究所においては,国鉄の近代化,合理化を促進するための新技術の開発に重点を置き,幅広い分野の機械化・自動化・メンテナンスフリー化などの研究を進める一方,将来の超高速鉄道についての研究も行なつている。また,鉄道労働科学研究所では運転事故と傷害事故を防止し,かつ作業能率の向上をはかるために,職員の人員管理,作業管理および作業環境の改善について,研究を行なつている。

日本放送協会は,総合技術研究所および放送科学基礎研究所のもとに,視聴科学の研究,光に関する材料および素子についての物性研究,カラーテレビの改善,UHF放送,テレビ音声多重放送および衛星放送の研究などを実施している。

日本電信電話公社電気通信研究所では,電電公社事業に必要な各種通信方式機器,部品材料について基礎から実用化に及ぶ広範な研究を行なつている。このうち,とくに電子交換方式,データ通信方式,超多重伝送方式,ミリメートル波通信方式およびこれらに用いる情報通信用入出力装置の研究の実用化に重点を置いている。


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