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第2部   科学技術活動の動向
第4章  技術交流および特許出願の動向
5  特許出願の現状


特許制度は発明した新技術を公開させ,その代償として一定期間その技術の独占を発明者に認め,その研究投資に対する報償を与えるとともに,公開した内容を基盤として技術の進歩を図ろうとする制度である。

特許は,この制度の目的にそつて企業の技術開発を進展させるうえで大きな役割を果たしてきており,技術交流の最も重要な対象になつていることは前に述べたところである。以下,最近における特許出願の現状についてみるとことする。

最近における特許および実用新案の出願状況をみると, 第2-73図 に示すように昭和42年度にやや減少したものの年々増加するすう勢にあり,昭和44年度は,特許10万6千件,実用新案12万4千件で,戦前,戦後を通じての最高となつた。これは,わが国経済の急速な発展,資本取引の自由化に対処するための技術開発の活発化などによるとともに, 第2-49表 にみられるように,自由化に伴い諸外国がわが国市場に着目し,わが国への出願を増加させていることによるためとみられる。

第2-73図 特許,実用新案の出願件数の推移

第2-74図 わが国における特許の自国出願件数に対する 対外国出願件数割合の推移

第2-49表 外国人別出願件数の推移

第2-50表 外国人出願内訳表(1968)

また 第2-50表 でみられるように,主要国の出願状況をみるとほとんどの国では自国出願より外国出願件数が多くなつているのに対し,わが国では自国出願より外国出願が大幅に少ない。しかし,近年は 第2-74図 に示すようにその割合が逐年高くなつており外国出願への積極性がみられつつある。次に,わが国の企業の特許出願状況について通商産業省工業技術院が行なつた調査(資本金5億円以上の企業を対象)に基づき,その概要をみることとする。

まず,国内特許出願についてみると,回答企業582社のうち,国内特許を出願した企業は昭和4年度437社で,約75%の企業が出願している。これを規模別にみると, 第2-75図 に示すように,規模の大きい企業ほど高くなつている。

第2-75図 国内特許の出願をしている 企業の割合

また,出願件数は,昭和44年度は33,627件で,前年度対比12%の増加となつている。これを規模別にみると, 第2-76図 のとおり資本金50億円以上の企業が74%を占め,特許出願件数が大企業に著しく傾斜している。

第2-76図 企業の国内特許出願件数の規模別構 成比および1社当たり規模別出願件 数

業種別には, 第2-51表 に示すように,電気機械器具,化学製品,化学繊維,医薬品,一般機械などが多い。また,1社当たりの出願件数をみると,規模別には, 第2-76図 に示すように規模の大きいほど著しく大きくなつている。業種別には 第2-51図 に示すように,化学繊維が353件/社と群をぬいて多く,ついで電気機械器具,医薬品,精密機械の順となつている。

一方,外国への特許出願の状況についてみると,昭和44年度の出願件数は11,918件で,前年度対比28%の増加となつており,国内の増加率より高く,わが国企業の技術開発の活発化と国外特許権取得の意欲がうかがわれる。 第2-52表 は,これを企業の規模別,業種別に示したものであり,規模別では国内特許の出願と同様に規模の大きいほど多く,また,業種別には化学製品が全体の25.9%,医薬品が14.8%,化学繊維が10.3%で,この3業種で50%を占めている。

第2-51表 業種別国内特許出願状況(昭和4年度)

第2-52表 国外特許出願状況(昭和44年度)

このほか,電気機械器具が8.4%,鉄鋼7.5%,自動車5.7%とつづいている。さらに,1社当たりの出願件数をみると,化学繊維と医薬品が群をぬいており,ついで船舶,電気機械器具,精密機械などが多くなつている。


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