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第2部   科学技術活動の動向
第4章  技術交流および特許出願の動向
2  技術導入
(3)  最近の技術導入の特徴


最近における技術導入の内容,契約形態などについてその特徴をみると,まず技術導入の内容については,第1に新技術の減少があげられる。すなわち, 第2-64図 に示すように,わが国に初めて導入された技術の全導入技術に占める割合は年々低下しており,昭和40年度45.5%であつたものが,昭和44年度には27.1%に減少している。なかでも,電気機械,金属の分野での減少が著しい。このことは欧米における新技術で導入可能なものはほとんど導入されてしまつていること,先端的分野における技術についてはクロスライセンス契約によるものを除いては導入が困難になつてきていることのあらわれであると考えられる。

第2-64図 新技術の導入状況

第2に,技術導入が同一,同種技術へ集中していることである。 第2-39表 は,この状況を分野別年度別に示したものであるが,総件数に占める割合は低下しているものの,電気機械,化学分野においては同一,同種技術へ集中している場合が多く,機械分野においても多数の企業が競い合つて同種の技術を導入していることがうかがわれる。複数の企業が導入したその主なものとしては,電気機械分野ではフェロックスキューブおよびフュロックスデュア製造技術,化学分野ではアンモニアプラントに関する技術,無水フタル酸の製造技術,ソフアイオ法アクリルニトリル製造における排水処理技術,また,機械分野ではクレーンの製造技術,汚水,汚泥処理装置に関する技術などがあげられる。

第2-39表 同一,同種技術への集中状況

第2-65図 導入技術と国産技術の関連

第3に国産技術と競合するような技術が導入されるようになつてきたことである。 第2-65図 は,導入技術のうち国産技術と同一,同種の技術が占める割合を示したものであるが,昭和40年度には49.2%であつたものが,昭和44年度には71.8%に達した。分野別にみると,機械では依然高く83.1%,電気機械では昭和40年度21.O%であつたものが75.3%になり,金属では昭和40年度46.2%であつたものが昭和44年度には73.O%となり,各分野においてこの傾向が強くなつている。このことは,わが国の企業が各分野において研究開発を推進した結果,導入技術と同一,同種の技術を開発しながら生産実績,性能の差,ユーザーの信用度などから,外国技術に今一歩立ち遅れていること,企業間の競争により国内の技術交流が十分に行なわれがたいことなどによるものとみられる。

第2-40表 流通消費関連技術の導入件数

第2-41表 公害防止関連技術の導入件数

第4に,導入技術が,流通・消費関係,公害防止関係等にわたり,多様化していることである。ここ数年,依然として製造技術が中心となつているが,流通・消費関連技術の導入件数は次第に増加している。しかし,昭和44年度は前年度よりやや下回つている( 第2-40表 )。

昭和44年度における流通関係の主な導入技術としては,プラスチックのインフレーションフィルムロールから直接チューブ状の袋をつくり,これに商品を袋詰めする作業を完全自動で行なう全自動包装機,家庭電化製品に関する技術,レジャー関係機械の製造技術,服飾デザイン関係の技術などがめだつており,これは,わが国の経済成長に伴う一般消費水準の向上とし好の多様化を反映したものとみられる。

また,公害防止に関する技術の導入は, 第2-41表 に示すように,最近の公害問題を反映してかなり積極的なものがみられる。昭和43年度は,脱硫処理技術を中心にかなり増加したが,昭和44年度は前年度に比べ減少している。これは,43年度にめぼしい技術の導入が集中したためであろう。主な導入技術としては,排煙脱硫に関する技術,自動車の排気ガス制御装置に関する技術,塵芥汚泥,汚水処理装置に関する技術などがあつた。

一方,契約上からの特徴をみると,第1に化学,電気機械,機械の分野を中心として,技術と技術の交換を行なういわゆるクロスライセンス契約の増加がうかがわれ,わが国の技術が欧米先進国に匹敵するものも現われていることを示している反面,先端技術の導入がこのような方式による技術導入でないと困難になつてきつつあることを示しているものとみられる( 第2-42表 )。また,このように,クロスライセンス契約を行なつた昭和44年度の19件のうち,交換技術を等価として双方無償とした契約が7件で,他はわが国の企業が若干の対価を支払う契約となつている。

第2-42表 クロスライセンス契約の推移

第2に,ノウハウを伴わない特許のみの技術導入は, 第2-43表 にみるように,電気機械を主体としてここ数年は20%台であつたものが,昭和44年度は15.6%に低下したものの,180件あり,後発のわが国企業が外国の特許を導入せざるを得ない事情が依然大きいことを物語つている。

第2-43表 特許契約認可件数の推移

第3に,ランニングロイヤリテイについては, 第2-44表 に示すように,前年度に比し5%以上のものの割合がやや増加の傾向にあることが,技術導入の自由化後の動きとして注目される。なお,契約期間については,ここ数年大きな変化はみられない( 第2-45表 )。

第2-44表 ランニングロイヤリテイの支払状況

第2-45表 契約期間別にみた導入件数


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