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第2部   科学技術活動の動向
第3章  国際交流の動向
2  二国間協力活動
(2)  先進諸国との協力


先進諸国との協力活動は,日米間においては原子力利用,天然資源,環境問題,基礎科学をはじめとして近年は宇宙開発,海洋開発等多方面にわたつて展開されている。

アメリカ以外の諸国とは,主として原子力利用の面で協力活動が行なわれているが,近年その他の分野での協力も活発化しつつある。  .,


(1) 日米協力

科学協力に関する日米委員会は,平和目的のための日米間の科学協力について検討し,その結果を両国政府に報告ないし勧告を行なうものであり,現在,昭和43年の第8回会合で設定された8部門について協力活動を行なつている( 第2-33表 )。

昭和45年に開かれた第10回会合では,従来の交流に加えて少数の著名な科学者を短期間交換し,講義の実施,短期の専門コースへの参加等を行なう交流制度が設けられた。

天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)においては,19の技術専門部会と1つの委員会を中心に,研究協力が行なわれている。これは基礎科学分野における科学協力に関する日米委員会と異なり,応用研究面での協力活動を目的として日米両国政府が技術者および科学技術情報の相互交換を主な内容とするものである。1968年の第4回本会議では,資源の有効利用とあわせて環境保全の重要性が強調され,1970年に開かれた第5回本会議では環境問題の重要性にかんがみ,日米両国の協力を継続強化するよう問題提起が行なわれた。このほか,本協力では最近,海洋開発が焦点の一つとなつており,現在19部会中,7部会が海洋資源工学調整委員会の下にあつて,海洋電子技術,通信をはじめ多方面にわたる協力活動を展開している。

6年目を迎えたUJNRの部会の活動の状況は, 第2-34表 のとおりであるが,従来の情報交換を中心としたものから,科学者の相互長期派遣により,共同研究等の実施を目差す積極的姿勢に転じつつあるといえる。

日米医学協力委員会は,日米医学協力計画においてとりあげるべき疾病について,研究計画を立案し,その実施を円滑にするための方途を検討し,その結果を日米両国政府に報告ないし勧告を行なうものである。アジア地域にまん延している疾病に関してはまだ未知の分野が多いため,現在これらの疾病に関する研究を行なつており,6専門部会(結核,らい,コレラ,ウイルス,寄生虫,低栄養)で活発に協力活動が展開されている。

日米運輸問題共同専門家会合は,昭和44年の第7回日米貿易経済合同委員会に基づき設立されたもので,運輸技術,運輸体系,超高速陸上輸送に対する需要およびその社会的経済的価値ならびに運輸の環境に及ぼす影響を改善するための方法について研究することを任務としている。設立されて以来,すでに超高速鉄道専門家会合と自動車の安全基準についての会議が開かれている。

また,激増を続ける自動車事故を防止するため,米国政府より衝突時における乗員の保護,歩行者の安全確保を目標とする実験安全車(ESD)開発を国際的に協力して進めたい旨の提案があり,昭和45年日米両国政府の間で,主として技術情報の交換を主内容とする相互協力のための覚書の調印が行なわれている。

第2-33表 科学協力に関する日米委員会の研究協力の分野

第2-34表 天然資源開発利用に関する日米会議専門部会

原子力分野では,昭和45年,日米原子力協定に基づく第2回日米原子力会議が開催され,原子力発電の将来見通し,核物質の需給,高速増殖炉,重水型炉,高温ガス冷却型炉,原子力船,保障措置技術に関する情報交換等広範囲な問題にわたつて意見の交換が行なわれ,とくに核物質の需給の面では意見の一致をみている。

また,日米両国政府間の技術協力の一環として両国の安全審査会のメンバーにより,原子炉の安全性に関する日米専門家会議が昭和44年開催され,原子炉の安全審査上の重要な問題について両国の経験を基礎とした意見の交換が行なわれている。

宇宙開発の分野においては,昭和45年に航空宇宙局(NASA)長官が来日し,1970年代における宇宙開発計画(ポストアポロ計画)を国際協力によつて推進することを提案した。これに対し,わが国は現在,同計画について参加の必要性,協力の可能性等,本問題に対するわが国の基本方針の検討を進めている。


(2) 西欧諸国との協力

科学技術庁長官は,昭和44年,イギリス,フランス,西ドイツを訪問し,科学技術協力,とくに原子力開発,宇宙開発,海洋開発等の諸分野における協力活動について意見の交換を行なつた。これを機に今後,西欧諸国との協力活動の進展が期待されている。

イギリスとは,昭和44年,日英原子力協定に基づく第1回日英原子力会議が開催され,続いて昭和45年第2回日英原子力会議が開催された。これらの会議においては,両国における原子力利用の現状と将来,動力炉開発,立地問題,保障措置等原子力全般にわたる問題について意見の交換が行なわれ,高速増殖炉の分野における情報交換の継続強化および新型転換炉の開発について協力の継続に合意するとともに,保障措置技術の開発協力について検討を進めることに意見の一致をみている。

フランスとは,昭和40年の政府間の交換書簡に沿い,日仏間原子力協力が進められてきたが,昭和44年の科学技術庁長官の訪仏,昭和45年の仏産業科学開発大臣の訪日により,原子力平和利用に関する政府間協定の締結の方向で交渉を開始することについて意見の一致をみている。また,宇宙開発や海洋開発の分野でも,協力が進展している。

カナダとの協力では,昭和44年,日加原子力協定に基づく第1回日加原子力会議が開催され,動力炉開発計画,重水,燃料加工,安全性規則,保障措置等の諸問題について意見の交換を行なつている。

このほか,西ドイツとは,科学技術全般および宇宙開発について,イタリアとは,宇宙開発について,スウェーデンとは,科学技術全般および原子力開発についてそれぞれ会議等の開催を通じ,意見交換を行なつており,協力活動が活発化している。


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