ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  企業の研究活動
(2)  研究投資



(1) 研究投資の推移

第2-12図 は,産業別研究費の推移を示したものである。

昭和43年度における全産業の研究投資総額は5,044億円で,前年度に対して33.1%増であり,近年における最大の増加率を示した。とくに,建設業が135%,農林水産業が絶対額は少ないが89.7%と著しく高い伸び率を示している。産業別の構成をみると,製造業の研究費は総額の92.1%にあたる4,646億円となつており,運輸通信公益業が4.5%の229億円,建設業が2.O%の100億円,鉱業が1.0%の52億円,農林水産業が0.3%の17億円となつている。

製造業の中では, 第2-13図 の業種別研究費の構成比率の推移に示すように,電気機械工業の研究費が1,258億円で全産業の24.9%,化学工業が1,108億円で22.O%と,この2業種の研究費で全産業の研究費の半分近くを占めている。ついで,輸送用機械工業(11.7%),機械工業(8.7%),鉄鋼業(4.7%),食品工業(4.0%),非鉄金属工業(2.4%),繊維工業(2.2%)となつている。

第2-12図 産業別研究費の推移

昭和43年度における各業種の研究費の対前年度増加率をみると,電気機械工業が46.6%と大幅に増加したのに対して,化学工業は21.4%の増加にとどまつた。この結果,昭和37年度以降昭和42年度まで,最も構成比の大きかつた化学工業に代つて昭和43年度には電気機械工業の構成比が最も大きくなつた。

第2-13図 業種別研究費の構成比率の推移

第2-14図 は,産業別の研究費の対売上高比率の推移を示したものである。この比率は,企業の研究開発に対する努力水準をあらわす一つの指標と考えられる。同図に示すように,昭和35,36年度以後,この比率は次第に低下していく傾向を示したが,昭和40年頃から再び増加を始め,昭和43年度においては,全産業平均で1.17%となつた。このうち製造業は最も高く1.37%となつている。しかし,その他の産業については,鉱業が0.62%,農林水産業が0.49%,運輸通信公益業が0.46%,建設業が0.58%となつている。

第2-14図 産業別研究費の対売上高比 率の推移

第2-15図 は,昭和42年度(1967年度)における業種別研究費の売上高に対する比率に関する国際比較であるが,全産業についてみると,日本は1.1%であり,アメリカの4.2%,フランスの3.3%,西ドイツの2.8%と大きな隔たりがある。

比率が比較的低い鉄鋼以外の主要業種についてみても,わが国の研究費の売上高に対する比率は諸外国に比して相当の格差があることがわかる。

次に,主な業種の1社当たり研究費とその売上高に対する比率を 第2-5表 に示す。この表によれば,1社当たりの研究費は,輸送用機械工業(とくに,自動車工業),鉄鋼業,電気機械工業(とくに通信,電子,電気計測器工業)の各業種が上位を占めており,研究費の売上高に対する比率は,化学工業(とくに医薬品工業)および電気機械工業(とくに通信・電子・電気計測器工業)が上位を占めている。

第2-15図 業種別研究費の売上高に対する比率に関する国際比較 (1967年度)

第2-5表 主な業種の1社当たり研究費および売上高に対する研究費の比率(昭和43年度)

第2-16図 業種別の研究費の対売上高比率と1社当たりの研究費の関係(昭和43年度)

これらの業種別の研究費の対売上高比率と1社当たりの研究費の関係は, 第2-16図 に示すとおりである。


(2) 研究費の構成

研究費の構成を費目別にみると,昭和43年度において人件費は総額の40.9%にあたる2,065億円,消耗資材費が21.7%の1,097億円,固定資産購入額が20.6%の1,077億円,その他の経費が16.7%の842億円となつている。

第2-17図 は,この費目別研究費の推移を表わしたものであるが,昭和35年度から昭和43年度までの8年間に人件費は約5.2倍(年率23%),その他の経費も約5.2倍(年率23%),消耗資材費は約4.4倍(年率20%)となつている。これに対し,固定資産購入額は約2.4倍(年率12%)であり,人件費をはしめ他の費目の伸びを大きく下回つている。

第2-18図 は,費目別構成比率の推移を示したものであるが,固定資産購入額は,昭和35,36年度頃は人件費とほぼ同じ割合を占めていたが,その後次第に減少し,昭和43年度においては,人件費の約半分の割合となつている。この固定資産購入額は,近年の好況を反映して 第2-19図 に示すように企業の設備投資にほぼ比例してかなり増大している。

第2-17図 会社等における費目別研究費の推移

次に, 第2-6表 により研究費の構成を基礎,応用,開発の研究段階別にみると,全産業では基礎研究は総額の11%にあたる575億円,応用研究は27%の1,384億円,開発研究は61%の3,084億円となつている。この構成比率は,この数年来ほとんど変わつていないが,昭和43年度の構成比率を産業別にみると,農林水産業が他と比較し,基礎および応用研究ではとくに低く,開発研究では高くなつている。製造業について業種別にみると,基礎研究の割合がとくに高いのは,食品工業(33.7%),応用研究の割合のとくに高いのは石油製品・石炭製品工業(44.4%),また,開発研究の割合の高いのは機械工業(75.5%),精密機械工業(74.2%),輸送用機械工業(72.9%),金属製品工業(72.7%)などである。

第2-18図 会社等における研究費の費目別構成比率の推移

第2-19図 企業設備投資と研究用固定資産購入額の関係

第2-6表 会社等の基礎・応用・開発別研究費の構成比率

わが国における会社等の基礎,応用,開発研究費の比率を諸外国の場合と比較すると, 第2-20図 のようにわが国においては,基礎研究の割合が大きく,応用および開発研究の割合が小さい。

とくに,アメリカでは開発研究の割合が大きいが,これは全産業の34%近くの研究費が投入されている航空機・ミサイル部門で開発研究が85.6%と著しく大きいことが影響していると思われる。

第2-20図 主要国における会社等の研究費の段階別構成比率


(3) 研究者1人当たり研究費

第2-21図 は,会社等における研究者1人当たりの研究費の推移である。これによれば,昭和36年度に急速に増大し,以後漸増していつたが,昭和42年度以降好景気を反映して,再び急上昇を始めている。

第2-21図 企業の研究者1人当たり研究費の推移

研究者1人当たりの研究費の大きな上位10業種を 第2-7表 に示す。この表からわかるように,自動車工業,石油製品・石炭製品工業,運輸通信公益業,鉄鋼業などが上位を占めている。

第2-7表 上位10業種の研究者1人当たりの研究費

次に,研究者1人当たりの研究費の国際比較を行なうと, 第2-22図 のようになる。

この図からわが国の会社等における研究者1人当たりの研究費は,欧米先進国に比してはるかに低いことがわかる。

第2-22図 主要国における会社等の研究者1人当たりの研究費


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ