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第1部   技術革新の歩みと新たな展開
第2章  社会・経済に対する技術革新の影響と近年の動き
3  技術革新の新たな展開
(1)  今後の技術革新をとりまく諸条件


わが国の技術革新は,これまで述べてきたように外国からの導入技術を軸にしながらも,目覚しい進展をみせ,社会・経済の発展に大きく貢献してきたことは多言を要しないところである。すなわち,技術革新は新しい製品を生み,生産工程を改善し,生産性の画期的な向上をもたらし,経済活動の拡大,国際競争力の強化などの面で大きく寄与してきたし,技術革新を原動力とする経済の高度成長を通じて,国民の生活水準は著しく向上した。

しかし,他方において,技術革新が進展していく過程において,環境汚染,交通事故,産業災害,人間疎外などのさまざまな歪み現象を社会にひき起こしてきた。これまでの技術革新は生産の面において目覚しい進展をみせた反面,社会開発関連の面では,そのような大きな進展がみられなかつた。その上,技術革新の推進に大きな役割を果たした技術は,物を生産するという面において著しい進歩をみせたものの,生産工程から生じる廃棄物の処理の面においては極めて遅れていたし,また生産物が使用された際,それが自然や人間あるいは社会に対してどのような副次的影響を与えるかがあまり考慮されることなく技術開発が行なわれてきた。そして,そのような技術が経済的な面に重点をおいて評価され,社会に適用されてきたなど,これまでの技術革新の展開には再検討されなければならない点が少なくなかつた。

一方,技術革新をとりまくわが国の社会・経済情勢は,近年著しく変化しようとしている。すなわち対外的には,経済活動の拡大,国際競争カの強化によつて,国際経済への協調に対する要請,自由化への圧力が一層高まつている。また国内では,ますます労働力不足型経済へと移行しようとしている。

さらに,国民生活の水準の向上に伴つて多様化,高度化が進み,豊かな生活環境への要請が強まるなど,公共的性格の強い要請の高まりがみられる。こうした中でわが国の社会・経済は産業の高度加工化,頭脳集約化の進展,知識産業などの新産業の胎動,情報化社会への移行など,より豊かな人間生活をめざして大きくしかも今まで以上に急速に進展しようとしている。


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