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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
4  国際協力の推進


科学技術における国際協力活動は,年々活発となりつつあり,この面で政府が果たす役割はきわめて大きい。

以下,昭和44年度における主な国際協力活動について述べる。

OECDについては,昭和44年2月の閣僚理事会において,当時の事務総長クリステンセンが「現代社会の諸問題」と題する演説を行なつた。これは各国の共感を呼び,引き続いて提出された事務総長提案をもとにOECD全体で活発な討議が重ねられてきたが,その間に交替した新事務総長ヴアン・レネップが,12月の理事会に同種の提案を行なつたのを機に,新しい局面を迎えている。わが国は,このほか,科学政策委員会(CSP),研究協力委員会(CRC),科学者技術者委員会(CSTP)の各委員会関係の活動に積極的に参加している。また,欧州原子力機関(ENEA)の活動にも,ハルデン計画,核データ編集センター,計算機プログラムライブラリーに積極的に参加し,成果をあげている,なお,OECDにおいて国際工科大学の具体化が進み,明年からイタリアのミラノで一部発足するに至つたことは注目される。

IAEAでは,原子力平和利用に関する協力が活発に進められ,わが国は,各種パネル,シンポジウムに専門家を派遣し,積極的に協力活動を行なつている。とくに,核兵器不拡散条約発効下における保障措置技術およびその実施方法を検討するため,昭和44年12月東京において保障措置技術パネルが開催された。同パネルには,12か国とEURATOMの専門家合計38名が参加したが,全世界の保障措置適用物質の約40%を保有しているわが国としては,保障措置の実施により原子力平和利用の推進が阻害されることのないよう簡素化,国内保障措置制度の活用等について強く主張した。その後,政府は昭和45年2月3日核兵器不拡散条約に署名調印したが,政府声明にも述べているとおり,政府としては,わが国がIAEAと締結する同条約に基づく保障措置協定の内容が他国の場合と比較して実質的に不利とならないことを十分考慮することとしており,このため所要の対策を講ずることとなつている。

二国間協力としては,44年7月に第9回の「科学協力に関する日米委員会」が開催されたほか,海洋部門を加えた「天然資源の開発利用に関する日米会議」もその活動を強化してきており,第2回目の日米原子力会議を加えて,日米間の協力関係はさらに,緊密度を増している。とくに,宇宙開発の面においては,44年7月宇宙開発に関する日米間の協力に関する交換公文の形で日米両国の協力関係が成立,今後わが国の宇宙開発を進めていく上でその成果が期待されることになつた。このほか,44年7月の第7回の日米貿易経済合同委員会において新たに,「運輸研究に関する日米委員会」が設置され,超高速鉄道,自動車の安全,交通公害防止,大都市交通などの分野で情報交換,共同研究を進めることとなつた。

また,44年11月科学技術庁長官は英,仏,独3か国の訪問を行ない,科学技術関係閣僚との会談を行なつたが,とくに,フランスとの間においては,原子力平和利用の相互協力のための協定締結の話合いが行なわれた。その他,英国とは,新日英原子力協定に基づく第1回原子力会談が44年6月東京で開催され,相互理解が深められる一方,カナダとの日加原子力会議もひき続き開催された。科学技術関係の各種国際会議の開催も盛んなものがあるが,とくに,第5回アジア・エレクトロニクス会議は,44年11月,はじめてわが国を離れて台湾で開催され,アジア太平洋地域におけるエレクトロニクス分野の技術振興の見地から参加各国( 14か国,4国際機関)の多大の関心を呼んだ。

なお,政府は,早くから主要国,主要国際機関所在地の在外公館に科学アタッシー(科学技術担当書記官)を派遣し,科学技術面における情報収集,国際協調の進展に努めている。


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