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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
3  科学技術情報活動の強化


増大する科学技術情報に対処するため,科学技術会議は,諮問第4号に対して昭和44年10月「科学技術情報の流通に関する基本的方策について」答申を行なつた。この答申のなかで基本構想として述べられている国家的科学技術情報システム(NIST)は,中央調整機能と以下に述べる各種センターおよび機能で構成され,これらを全国的ネットワークで有機的に結びつけ,NIST全体を有効適切に機能させるため中央調整機能の調整のもとに整備運営される。

1) オペレーティング・センター;全学問分野を数分野に分け,それぞれの学問分野ごとに内外公開一次情報を網羅的に収集し,加工して抄録,索引等の二次情報を作成して一般利用者に提供する。
2) 地域サービス・センダー;地域の利用者からの要求をターミナルを通じて受け入れ,それ自体が所有する情報ファイルやオペレーティング・センター,専門センター,データ・センターにある情報のなかから利用者が必要とする情報を検索し,提供する。
3) 専門センター,データ・センター;特定の専門分野について,情報あるいは数値データを収集し,その内容の分析,評価を行なう。
4) ターミナル:利用者とNISTの各種センターとの接点であり,利用者に対する情報提供の窓口であるとともに,NISTにおける非商業的公開情報の収集経路としての機能をもつ。
5) 中央デポジトリー; NISTの各種センター等において収集し,または処理された情報のなかで,とくに長期保管を必要として各種センター自体が保管できないものを保管する。
6) 研修機能; NISTを構成する各種センター等に従事する職員の養成科学技術情報従事者のレベルアップのための研修を行なう。

この構想に沿つたシステム作成の具体化に必要な基本的問題として情報需要動向などに関する調査検討が科学技術庁において行なわれる予定である。

このような国家的システムを効率的に機能させるには,システム内での標準化が非常に重要である。科学技術庁は,こうした観点から科学技術全般をカバーするシソーラス(情報検索用語関連辞書)の作製に着手した。この計画は,昭和44年度から3か年計画で日本語による標準シソーラスを作成するものであり,アメリカの工学者合同委員会(EJC)で作成された工学用語シソーラスを基礎にして行なわれている。この標準シソーラスから出発して,将来特定分野向けの専門シソーラスを作ることができる。

また,国際的情報システムとの協力関係については,アメリカ国立医学図書館で開発したMEDLARSの検索実験を44年度,45年度の2か年間で行なう計画が,日本科学技術情報センターと慶応大学との共同で進められている。原子力関係では,国際原子力機関のINIS計画が昭和45年1月1日から2か年の予定で初期計画の実施にはいり,わが国も積極的に参加する姿勢を示している。

情報処理の機械化の面では,日本科学技術情報センターにおいて,42年度から総合機械化計画を推進しているが,本年度から日本化学総覧を除く全文献速報編集の機械化に成功した。また,機械検索計画については,選択的情報サービス(SDI)の実験を電気工学関係分野で行なう一方,多様化する情報需要に対処するため,速報性の高いKWICの索引誌の作製実験を物理分野について行なつた。さらに磁気テープサービスのために必要なデータファイルの互換性を確保するための研究が進められている。


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