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第3部   政府の施策
第2章  政府機関等における研究活動
5  国立試験研究機関の研究成果
(7)  通商産業省


〔電子〕

電子部品の研究においては,小型化,高性能化を目標に研究を進めているが,昭和44年度には,従来のトランジスタに比べ上限周波数を1けた向上させた新しいトランジスタ〔DSAモストランジスタ〕を発明した。このトランジスタは,増幅素子としてテレビなどの家庭電化製品はいうまでもなく,電子計算機,通信機器に至る幅広い分野での利用が考えられ,現在,電子機器メーカー数社から国有特許実施の申込があり,今後電子工業への大きな波及効果が期待されている。また,半導体の磁気抵抗効果の研究を進めた結果,磁気抵抗半導体部品の開発とその試作に成功し,ポテンションメータ,ロータリスイッチ等の無接点化,無接融化が可能となり,電子機器分野への応用が期待されている。

〔海洋開発〕

従来,海底地質構造調査には反射式音波探査法が多く用いられているが,地下構造の岩石の同定は,層理の発達状態から推定できるにすぎなかつた。

そこで海底を構成する地層固有の速度分布を連続的に測定することによつて地質構造の解明ができる屈折式音波探査装置の開発を行ない,海底地質構造解明のための新たな調査手法を確立した。

〔自動車安全〕

自動車安全走行制御系の研究の一端として,2線方式(ステレオ型)誘導ケーブルを使用して道路管理者と路面上を走行中の自動車との間の通信システムおよび自動車のコースずれ計測による警報システムを開発し,その実用化のため昭和44年度から中央高速道路においてモデル試験区間を設置し,実験を進めている。

〔機械加工〕

最近,工作機械は,数値制御によるいわゆるNC工作機械が開発され,広く普及されつつある。しかし,海外技術に伍していくためには,.最適加工条件を自動的に選択しつつ加工を行なうさらに進んだ適応制御機械の開発が望まれるので,電子計算機による切剤条件の最適制御技術,工具の熱膨脹や機械系の変形による加工誤差の補正を行なう制御方式の開発について研究を促進した。

〔繊維加工〕

メリヤス産業の中核的装置である丸編機について,電子計算機を利用した自動柄出方式および編成システムによる集中制御方式を開発した。これについては,実用機が試作されようとしており,その完成は,当該産業の合理化,近代化に多大の寄与をすることが期待されている。

〔微生物工学〕

石油原料および天然ガス等を微生物に資化させ,その菌体たんぱくを利用しようとする研究は成功裡に進んでいる。また,未利用鉱石中の有価金属を微生物を利用して浸出しようとするバクテリヤリーチング法が工業的に可能であることを見出した。これらについては,現在基礎研究から工業化研究へと進めるための検討を行なつている。

〔産業保安〕

火薬および高圧ガス(エチレン)の爆発災害防止対策のため,岩手県下において野外実験を行ない,数々の保安基準作成のための貴重なデータを得た。

〔公害〕

微生物による各種産業排水処理の研究を行ない,この成果は,すでに30数工場で実用化されているが,昭和43年度には四日市の石油化学系4社の共同処理装置に応用され,各方面から注目されている。排水の自動管理,分析機器については,すでにDO計シアノセンサー等数種の自動分析計を開発したが44年度にはBOD自動測定装置を開発し,実用に供した。試験水槽による工場廃水の拡散実験は,東京,東三河,岡山の3湾で行ない,また大気については,仙台,磐城等7地区について試験風胴による工場ばい煙の拡散実験を行ない,工場立地の事前の調査に貢献した。


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