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第3部   政府の施策
第2章  政府機関等における研究活動
2  特殊法人研究機関における研究活動


特殊法人研究機関における研究活動は,主として政府からの出資金,補助金によつて進められており,政府の研究活動の一環ともいうべきものである。

とくに,近年,特殊法人研究機関は産官学の人材を結集しやすいこと,民間資金の導入が図られること,運営において弾力性をもたせうること等の利点を有し,研究の効率化などの面において高く評価されており,基礎的研究の総合的な推進,大規模プロジェクトの推進等集中的かつ計画的な研究開発を進める上に大きな役割を果たしている。

昭和44年10月には宇宙開発事業団が設立され,38年の日本原子力船開発事業団,42年の動力炉・核燃料開発事業団の設立に続いて,わが国の国家的プロジェクトである宇宙開発を推進する中核機関としての役割を果たすこととなつた。

特殊法人研究機関に対する政府出資金等の推移は, 第3-15表 に示すとおりであり,その額は年々増加している。

理化学研究所における研究活動としては,主として物理学および化学に関する基礎的な課題を対象とする一般研究のほか,基礎研究の上に立つて広く国家的要請にこたえるための特別研究がある。とくに,昭和43年度には,産業への応用あるいは科学技術発展への寄与という観点から重要な課題を選定し,有機的連携のもとに計画的に研究を進める「特別総合研究」を設定し,レーザーの理化学的応用に関する研究を行なつている。このほか,特別研究として,高分子圧電材料の開発,計算機用図形入出力端末装置等に関する研究を行なつている。また,新農薬創製研究のための試験施設および体制の拡充を進めている。

日本原子力研究所は,高速増殖炉および新型転換炉の研究開発に関し,動力炉・核燃料開発事業団と緊密な協力のもとに研究開発を進める一方,在来型炉については,動力試験炉の改造に伴う高出力燃料の製作を進めている。

また,燃料および材料の国産化のための各種照射試験を行なうほか,原子炉の安全性に関する研究,放射線化学の研究開発等を進めている。以上のほか,核融合研究,食品照射の研究は,原子力特定総合研究として,国内関係機関の協力のもとに日本原子力研究所が中心となつて進めている。

日本原子力船開発事業団においては,昭和44年6月に進水した原子力第1船の建造工事を進めるほか,青森県むつ市に陸上付帯施設を建設している。また,原子力第1船の運航にそなえ,乗組員の養成訓練を行なつている。

動力炉・核燃料開発事業団は,高速増殖炉の開発のための実験炉の設計・建設を進めているほか,プルトニウム燃料による炉心のモック・アップ試験,ナトリウム回路の総合試験などを行なつている。また,新型転換炉の開発に関しては,原型炉の建設にそなえ,重水臨界実験,伝熱,流動試験,安全性実験などを行なつている。その他,国内探鉱,プルトニウムの熱中性子炉への利用技術等,核燃料開発を進めているほか,使用済燃料の再処理工場建設の準備を進めている。

宇宙開発事業団は,昭和4年10月1日に発足して以来,科学技術庁宇宙開発推進本部の業務を引き継ぎ,Qロケットの研究開発を進めるとともに,液体ロケット開発のためのLS-C型ロケット,誘導制御技術開発のためのJCR型ロケット等を中心にロケット打上げ実験を行なつている。また,人工衛星に関しては,衛星の姿勢制御の開発研究を進めるほか,郵政省電波研究所の電離層観測衛星開発関係部門を引き継ぎ研究を行なつている。

第3-15表 特殊法人研究機関に対する政府出資金等の推移

その他,農業機械化研究所は,農業機械の開発改良に関する試験研究として,施肥播種用機械,収穫脱穀用機械等に関する研究を進めているなど,特殊法人研究機関は,いずれも活発な活動を進めており,これらの機関における役割は,今後ますます高まることが予想される。


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