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第2部   科学技術活動の動向
第2章  科学技術情報活動の動向
2  科学技術情報活動の現状
(3)  情報収集


情報量が増加すればするほど,もれなく情報を収集することは困難になり,しかも多大な経費を必要とする。技術情報の収集・処理に,企業がどのくらい費用を投じているかを 第2-86図 に示した。

500万円以下のものが半数を占めているが,5,000万円以上も使つている企業が5%(31社)もあつた。業種別には,化学・医薬品,電気通信機器,自動車,船舶などで,費用が高くなつている。また,資本金規模,従業者規模が大きくなるに伴つて,費用はかなり増大している。

なお, 第2-26表 に中小企業の情報収集費用を示したが,それによると従業員1人当たりの情報収集費用は,規模が小さくなるほど高くなつている。この調査の対象となつた企業は,必ずしもすべて研究を行なつているわけではないが,この規模の企業の研究費との比率をとつてみると,昭和35年度が2.4%,40年度が4.3%となる。中小企業における情報収集に要する費用は,相対的にみてかなり高いと推定され,またその率は増加する傾向にある。一方,工業技術院の行なつた「中小企業における研究開発に関する調査報告」によると,中小企業における研究開発の阻害要因の10%を,技術情報の入手難が占めている。とくに,従業者規模別では,300人以上の企業で18.4%となつており,規模が大きくなるにつれて,情報需要が高度化するため情報入手の困難性も大きくなるものと思われる。

第2-87図 は,会社等における1社当たりの図書費とその研究費に占める割合を示したものである。絶対額ではかなり伸びているが,研究費に占める割合では,昭和40年度を境にして,むしろ下降傾向にある。

このように情報量の増加が云々されながらも,図書類購入費はそれほど増加していないのは,企業内における情報活動が効率化されてきつつあることによるものと考えられる。 第2-27表 は日本科学技術情報センターと国立国会図書館における複写件数の増加状況を示したものである。

第2-86図 技術情報収集・処理の費用

第2-26表 中小企業における情報収集の費用

第2-27表 複写件数の推移

第2-28表 科学技術文献速報販売部数分布(昭和43年度)

第2-87図 会社等1社当たり図書費とその研究費に占める割合の推移

また, 第2-28表 は,日本科学技術情報センター発行の文献速報購入部数の機関別分布を示したものである。一般に大企業では,情報を収集する際,きわめて利用度の高いものを除いては,二次資料を活用し,原論文は外部の情報機関から複写などで入手する例が多くなつているといわれているが, 第2-27表 および 第2-28表 からもこのことがうかがわれる。情報量の増加に伴い,情報収集上の問題も深刻になつてくることが予想されるが,工業技術院の調査によれば,企業で指摘している問題は,第2-88図に示すようになつている。分野別の二次資料が不足していることが第1位で70%を占め,次が,必要な情報が多種類の雑誌に分散しているという問題で57%となつており,これらは,まさに情報のはんらんしている状況を示しているものと思われる。こうした問題に対しては,一次情報の発行のしかたにも,改善の余地があるであろうが,適切な二次資料の整備の必要性が,とくに高いと考えられる。

第2-88図 情報収集における問題点


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