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第2部   科学技術活動の動向
第2章  科学技術情報活動の動向
2  科学技術情報活動の現状
(1)  科学技術情報量の増大


前節でレーザーに関する文献の例によつて,急激に増加する科学技術情報の状態を示したが,このように特定のテーマについては,その増加はある期間を経過すると大体平衡状態になると考えられる。しかしながら,新研究テーマの発生はますます増加する傾向にあり,その結果として,科学技術情報の全体量は急激に増大している。 第2-23表 は,世界の主要な抄録誌における収録文献数の10年間における増加率を表わしたものである。一般に8〜10年間で情報量は倍増するといわれているが,増加率1位のインターナシヨナル・エーロスペース・アブストラクツに至つては3〜4年で倍増し,フイジックス・アブストラクツも5年で倍増しているという計算になる。このように,分野によつてはまさに爆発的な情報量の増加をみせており,とくに新分野,境界領域の分野において著しい。また特許情報についても,著しい情報量の増加がみられる。現在特許情報は,昭和20年から約500万件の集積があり年々5%ほどの増加率で増大するものと推定されている。この増加率は,一般的な科学技術情報に比べて若干低めではあるが,情報源としての重要性,蓄積量のぼう大さなどを考慮した場合,特許情報の流通利用は重要な問題である。

第2-23表 主要抄録誌の収録文献数の増加

次に,わが国の国内における情報の生産量に目を転じてみよう。 第2-78図 は,専門分野別に刊行誌数の増加状況を示したもので,第二次大戦を境にして急激な増加を示している。工学関係は,とくに,伸び方が著しく,近年では1年に50〜60誌が創刊されるという激増ぶりである。また,専門分野別に発行機関別推移をとつたものが, 第2-79図 ,80図 ,81図 ,第2-82図 である。農学関係は大半が国公立研究機関によつて占められており,工学,医学では学協会が圧倒的に多い。また,工学関係では,報道出版機関の比率が他の分野に比較して多く,商業ベースでの刊行が採算に合うことを示している。,

第2-78図 専門別刊行誌数の増加状況

昭和43年の国会図書館の調査によると,科学技術関係雑誌の内容性格別誌数は, 第2-24表 のようになつている。

総説,展望までを含めていわわる論文の掲載される誌数は約3,200である。このなかの主要1,200誌に掲載されていた論文は,昭和43年度において約60,000件であつた。このことから,日本の論文産出量は,昭和43年度において年間10万件を下らないものと推定される。

第2-79図 理学関係刊行誌の増加状況

第2-80図 医学関係刊行誌の増加状況

第2-81図 工学関係刊行誌の増加状況

第2-82図 農学関係刊行誌の増加状況

このように増大の一途をたどる科学技術情報に対しては,現在の情報活動の態様では対処し得なくなる時期が遠からずやつてくることが予想される。

その対策としては,すでに流通機構にはいつた情報に対して講ずる手段と,論文発表段階で講ずる手段の両面からの方策が必要である。前者は各種二次資料の整備強化,レビュー作成の組織化,スクリーニングによる情報の選択などであり,後者は,論文発表に際しての評価システムの強化,論文発表形態の改革(発表手段,形式等の標準化)などである。


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