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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
3  公共的研究機関における研究活動
(4)  国立試験研究機関における研究管理


科学技術の発展における国の役割が増大している折から,国立試験研究機関がその研究活動の近代化のため,どのような努力をしているかを,科学技術庁が,昭和44年度に実施した「国立試験研究機関等における研究活動に関する実態調査」によつて,研究管理の面からみてみよう。


(1) 外部の要請を反映する体制

国立試験研究機関が,行政上および経済社会上の要請にこたえるべく,外部の要請を研究活動にどのように反映させているかを調査してみた。その結果,運営方針,研究課題を定めるにあたつて,運営委員会,連絡会議,顧問会議等の組織を設けて外部の意見をきいている機関は丁度1/3であつた。

このような組織によつて外部の意見を反映させているものは,まだ少ないようにみえるが,後述の長期計画の例にみられるように,随時外部の声を聞いているものが多い。

また,研究所長が,常時本省庁の省庁議,局議等の幹部会に出席することによつて,行政との緊密化を図つているものが全体の45%に達している。


(2) 研究活動の運営に関する規定
第2-17表 研究管理規定等業務規定の設定状況

研究活動の合理的,効率的な運営に必要な種々の規定がどの程度整備されているかを調べてみた。その結果は, 第2-17表 のとおりであるが,とくに近年重要となりつつある研究管理を行なうために必要な研究評価に関する規定を制定しているものは全体の17%にすぎず,また,その内容も必らずしも十分であるとはいいがたい状況にある。


(3) 長期研究計画の策定状況

近年,経済社会からの科学技術への要請の高まり研究開発の規模が大型化する傾向により,研究開発を計画的に推進することの必要性が一段と強まつてきているので,国立試験研究機関における長期研究計画の策定状況を調べた。これによると,長期的観点にたつた研究機関として努力すべき方向を明示し,具体的研究課題の選定にあたり,その判断材料を提供するような長期ビジョンをもつている機関は,一部の分野を対象としているものも含めると,全機関の84%であつた。

また,長期研究計画策定の際,所外から要望を受け入れているか否かについては,87.5%が何らかの形で受け入れていると答えている。


(4) 研究費の配分

国立試験研究機関の研究に関する予算は,通常,研究課題に対して配分されるものと,研究者数に応じて配分されるものからなつており,後者を人当研究費と呼んでいる。この人当研究費の配分方法を調査した結果を 第2-18表 に示す。

第2-65図 長期研究計画の有無

これによると,この経費の性格から当然のことであろうが,研究課題別に積上げる,いわゆる積上げ方式をとるものは少ない。

第2-18表 研究費配分の基準


(5) 研究評価

適切な研究課題の選定と目標にそつて研究開発を効果的に推進するため,研究管理のなかでも研究評価は非常に重要となつてきている。

研究評価の実施状況は,一部実施を含めれば,ほとんど何らかの形で実施している。実施の割合は,基礎,応用,開発と研究段階が進むにつれて高くなつており,企業の場合と同様な傾向である。

これらの評価の方法については会議方式が圧倒的に多く,定量的評価方式を採用しているのはただ一例あるのみである。以上簡単に国立試験研究機関の研究管理の実態を述べたが,研究開発の効率化,国民の要請に沿つた研究開発を行なう意味からも,研究管理面における一層の改善が望まれる。


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