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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
3  公共的研究機関における研究活動
(2)  研究投資



(1) 研究費の推移

第2-51-1図 に,組織別の研究費の推移を示した。

これによると,昭和42年度における研究費の組織別の比率は,国立42.0%,公立37.0%,民営10.5%,特殊法人10.5%であり,この構成割合は,ここ数年あまり変化はない。同じく昭和42年度における対前年度増加率は,公共的研究機関全体では,前年度とほぼ同水準の14%であつた。組織別には,特殊法人22%,公立16%,民営9%であるが,国立はわずか6%増にとどまつた。

次に学問分野別の研究費の推移を 第2-51-2図 に示した。研究機関数では,農学が全体の半分以上を占めていたが,研究費では工学が全体の38%を占めて農学を上回つた。理学が減少しているのは,とくに民営研究機関数が14機関も減少しているので,その影響を受けていると考えられる。しかしながら,理工学を合わせると56%であり,これに対して,農学36%,医学8%で,この構成比は近年ほとんど変化していない。

第2-13表 研究機関数の組織別,学問分野別構成(昭和42年度)

第2-51-1図 公共的研究機関における研究費の推移(組織別)

第2-51-2図 公共的研究機関における研究費の推移(学問分野別)

第2-52図 から 第2-53図 に,1研究機関当たり,研究費の推移を示した。これを組織別にみると,, 第2-51図 に示すように各年度とも特殊法人がずば抜けて大きく,公立および民営が非常に小さい。特殊法人を除いて,各機関では年々着実に増加している。なお,特殊法人において,各年度ごとに増減がみられるのは,その総数が少ないために,各機関の研究費の変動が大きく影響するためである。

また,学問分野別にみると, 第2-53図 に示すように,理工学が最も大きく,ついで農学,医学の順になつている。さらに理工学のなかでも,理学が非常に高くなつている。その増加率をみると,最近数年間は,各機関ともほぼ同じ割合で増加しそいることがわかる

第2-52図 1研究機関当たり研究費の推移(組織別)

第2-53図 1研究機関当たりの研究費の推移(学問分野別)


(2) 費目別研究費

第2-54図 に,費目別の研究費の推移を昭和35年度を100とする指数で示した。企業の場合と異なり,消耗資材費が人件費を上回る伸びを示しているのが注目される。 第2-55図 56図 57図 第2-58図 において,組織別に研究費の費目構成を昭和35年度と42年度とで比較した。

第2-54図 公共的研究機関における費目別研究費の推移

国立研究機関 (第2-55図)

他の機関に比べて,相対的に固定資産購入額が高く,とくに機械・器具・装置類がその80%を占めていることが注目される。全般的に各費目の伸び率は,他の機関より低く,とくに人件費が低いが,消耗資材費の伸び率は,人件費のそれを相当上回つている。

第2-55図 費目別研究費の推移(国立研究機関)

公立研究機関 (第2-56図)

他の機関に比べて人件費の割合が非常に大きく,研究機関数および研究者数の増加に伴つて伸び率も高くなつている。各費目の伸び率は,全般的に他の機関を上回つているが,絶対額では,人件費に比して,消耗資材費,固定資産購入額ともに低く,人件費を除く研究費の面では国立に劣つているといえよう。

第2-56図 費目別研究費の推移(公立研究機関)

民営研究機関 (第2-57図)

人件費の伸びに比べて,消耗資材費の伸びが低い,しかしながら,ほぼすべての費目が,企業における伸び率と同じ動きを示している。

第2-57図 費目別研究費の推移(民営研究機関)

特殊法人研究機関 (第2-58図)

日本原子力研究所,理化学研究所,動力炉・核燃料開発事業団等の大型研究機関を含んでいるために,固定資産購入額の割合が大きいことが注目される。また,各費目の伸び率では,消耗資材費および人件費が高いが,これは,日本原子力研究所および理化学研究所における経常研究の比重が増加していることによるものであると推測される。

第2-58図 費目別研究費の推移(特殊法人研究機関)


(3) 研究者1人当たり研究費

公共的研究機関全体の平均では8年間でほぼ2倍に達し,順調な伸びを示している。とくに,特殊法人と民営機関の水準がきわめて高いことが注目される。 (第2-59-1図参照)

第2-59-1図 公共的な研究機関の研究者1人当たり研究費の推移

第2-59-2図 公共的研究機関の学問分野別研究者1人当たり研究費の推移

参考のために,学問分野別研究者1人当たり研究費の推移を 第2-59-2図 に示したが,理工学の水準が高く,農学,医学はほとんど同額である。

次に,研究費のうちから,消耗資材費,機械・器具・装置類購入額を取り出し,これを物価指数で修正したものの1人当たりの年次推移を 第2-60-1図 に示した。特殊法人の水準が非常に高く,民営,国立,公立の順になつており,とくに,公立の水準はきわめて低い。これを,企業の水準と比較してみると,国立は,全産業平均より若干低く,この差はさらに開く傾向にある。民営は,全産業平均を上回つていたが,その差がちぢまる傾向にある。全研究機関平均では昭和41年度以降増加傾向にあり,36年度と比較して,42年度は,42%の増加である。

特殊法人は,原子力関係のものが非常に大きな比重を占めており,その動向によつて左右される傾向が強い。すなわち,昭和37年度に非常に高い値を示したのは,それまで建設仮勘定に計上されていた大型研究施設の建設費が,この年に機械・器具・装置類購入額として計上されたためであると考えられる。以後減少傾向にあるのは,この施設による研究のため,研究者が増加してきたことによるものである。また,昭和42年度に再び増加したのは,動力炉・核燃料開発事業団の設立されたことによるものである。

次に,これを学問分野別にみたのが, 第2-60-2図 である。理工学の水準が,医学,農学に比べてはるかに高い。理工学において,昭和37年度にピークにあるのは,前述の特殊法人における経理処理の影響によるものであると推測される。医学は,ほとんど横ばい傾向にあるが,これは,その研究の性格が経常研究的であることを反映しているとみられる。農学は,絶対額では一番低いが漸増の傾向にある。

第2-60-1図 公共的研究機関の研究者一人当たり消粍資材,機械・器具・装置類購入額の推移(組織別)

第2-60-2図 公共的研究機関の研究者1人当り消粍資材費,機械-器具・装置類購入額(学問分野別)


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