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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  企業の研究活動
(5)  外資系企業の研究活動


経済の国際化の進展により,当然わが国でも外資系企業注)が増加しつつあるが,このような情勢における問題点については,第1部において述べたので,ここではわが国企業の研究活動における外資系企業の状況についてみることとする。 第2-10表 に,外資系企業のうちの研究実施会社数とわが国の研究実施会社に占める割合の推移を示した。外資系企業数の増加に伴つて,研究実施会社数も比例的に増加している。また,わが国の研究実施会社に対するその割合は,1.8%とまだ小さいが漸増の傾向にあることは注目される。

次に,外資系企業の研究費とそのわが国企業の研究費に占める割合の推移を 第2-37図 に示した。企業数の増加に伴つて,その研究は着実に伸びているが,昭和41年度には外資系企業の研究費の割合は,その企業数の割合が増加しているにもかかわらず,むしろさがつている。また,1会社当たりの研究費では,わが国全産業平均で昭和38年度から41年度までに30%伸びたのに対し,外資系企業では12%しか増加していない。


注)外資系企業とは,外資比率15%以上のもので,純外資会社,合弁会社,外資導入会社などが含まれている。

第2-10表 外資系企業の研究実施会社数とわが国の研究実施会社に占める割合の推移

第2-37図 外資系企業の研究費とわが国企業の研究費に占める割合の推移

一方,研究費の絶対額について比較してみると,昭和41年度にわが国企業の1社当たり研究費が3,130万円であるのに対し,外資系の場合は,4,874万円である。しかし,これを企業規模別にみると,資本金10億円以上の企業では,外資系企業よりわが国企業の方が3倍近く高くなつており,わが国企業の研究活動の中核をなす企業の水準の方が高いことがわかる。

第2-11表 は,主要産業の研究費の売上高に対する比率についてわが国企業との比較を行なつたものである。製造業平均では,わが国企業の1.3%に比べて0.8%と非常に低い。産業別にみると,石油石炭製品工業を除いて,全般的に低くなつている。現在のところ,外資系企業では,日本国内での研究活動は,あまり活発でないように見受けられる。

第2-12表 に,外資系主要産業の研究費,研究者数およびそれらのわが国企業に占める割合を示した。1研究者当たり研究費は,全般的にわが国企業より,外資系企業の方が低く,昭和41年度において,わが国企業の場合が399万円であるのに対して,外資系企業の場合は330万円となつている。逆に,1会社当たりの研究者数は,わが国企業の場合が86人であるのに対して,外資系企業の場合は14.7人となつている。研究費および研究者について,外資系企業のわが国企業に占める割合をみると,全般的に低いが,石油石炭製品工業の場合は,外資系企業の比重がきわめて大きいことが注目される。このほか,ゴム製品工業が平均をかなり上回つている。また,外資系企業研究者の前職別構成をとつてみると, 第2-38図 のようになつており,ほとんどが日本人研究者であつて,外国会社等からの研究者は,わずか0.4%にすぎない。日本人研究者では,学校卒業後直ちに入社した者が最も多いが,日本側出資会社以外の研究者も20%近く採用されている。また,研究開発が外国の本社中心に行なわれているために,国内での研究開発成果が,外国の本社に帰属する恐れも十分あり,実質的な頭脳流出となることが予想される。

第2-11表 主要業種における外資系企業とわが国企業の研究費対売上高比率(昭和42年度)

第2-12表 外資系企業主要業種の研究費と研究者数およびその割合(昭和41年度)

第2-38図 外資系企業研究者の前職別構成(41年度)


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