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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  企業の研究活動
(4)  資本金規模から見た研究活動


研究開発が大規模化している今日においては,企業規模は適切な研究開発の成否を左右する大きな要因となつている。そこで,資本金規模の面から企業の研究活動をみてみよう。

第2-32図 は,資本金規模別研究実施会社数の昭和35年度と42年度における比較である。35年度から42年度までのその増加率は,資本金規模の大きいものほど高くなつており,1,000万円未満では,わずか22%の増加である。10億円以上の研究実施会社数の全体に占める割合は,昭和35年の42%から42年度の65%へと増加しており,これとともに,研究費の集中度は,35年度の66%から42年は78%に上昇している。とくに,資本金100億円以上の会社の研究費の集中度は,昭和35年度の24%から42年度の46%に増加している。

また研究者数についても,研究費ほど著しくないが100億円以上の会社への集中度が増加している。

研究実施会社は徐々に大企業に移る傾向にあるが,次に,資本金規模と研究活動との関係をさらにくわしく検討してみよう。

第2-32図 資本金規模別研究実施会社数の推移

第2-33図 資本金規模別研究費集中度の推移(昭和42年度)

第2-34図 資本金規模別研究者集中度の推移(昭和42年度)

第2-35-1図 は,資本金規模と研究費との関係を示すものであるが,これによると,資本金階層の一桁数があがるとともに,研究費の桁数もあがつている。また,資本金1,000万円未満の企業では昭和35年度より42年度の方が研究費がさがつており,この規模の会社における研究活動は,停滞していることを示している。これに対して,資本金100億円以上の会社における研究費の増加がきわめて著しいことが注目される。

第2-35-2図 は,資本金規模と研究関係従業者の人件費との関係を示すものであるが,研究費全体の場合と異り,人件費は,賃金上昇を反映して,各階層とも上昇しており,とくに100億円以上の会社において著しい。これは,企業規模による賃金水準の格差によるものとも考えられるが,第2-36図から明らかなように研究者数の増加による影響が大きいものとみることができる。

第2-35-1図 資本金規模別1社当たり研究費(総研究費)

第2-35-3図 は,資本金規模と研究用固定資産購入額との関係を示すものであり,前に述べたように,昭和42年度には,固定資産購入額が著しく増加しているが,資本金階層別にみると,増加しているのは,1,000万円〜1億円の会社と,100億円以上の会社のみであり,他は減少している。したがつて,昭和42年度に研究用固定資産を充実したのは,この両階層の会社であるといえよう。さらに,固定資産のうち機械・器具・装置類の購入額を示す 第2-35-4図 によれば,資本金100億円以上の会社における研究設備の充実が一層明らかとなる。

第2-36図 は,1社当たり研究者数を昭和35年と42年とで比較したものである。資本金100億円以上の会社では大幅に増加しているが,他は横ばいないし減少の傾向にある。研究費におけると同様,研究者も,資本金100億円以上の会社に集中しつつあり,研究費,研究者ともに大企業へと集中する傾向がみられる。

第2-35-2図 (人件費)

このように,研究活動が次第に大企業へ集中化する傾向にあるとはいえ,その研究課題は,まだ非常に規模が小さい。 第2-9表 は,工業技術院が調査した研究の終了した研究課題数の規模別分布を示したものであるが,1億円以上のものはきわめて少なく,大半が1,000万円以下の小規模のものである。

第2-35-3図 (固定資産購入額)

第2-35-4図 (機械・器具・装置類購入額)

第2-36図 資本金規模別1社当たり研究者の推移

第2-9表 主要産業における研究課題の規模別分布


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