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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  企業の研究活動
(3)  研究者の推移


次に,企業における研究活動を研究者の面から分析しよう。

研究者は,例年製造業に90%以上が集中しており,昭和43年は94%に達している。その製造業への集中度は,研究費の場合よりも若干高い。

製造業以外のものをみると鉱業で,むしろ減少傾向にあるが,建設業および運輸・通信・公益業では,一応着実に増加しているとみることができる。

第2-25図 は,研究者数の多い上位5業種について,昭和35年の研究者数と,43年度におけるそれとを比較したものである。昭和35年においては,化学工業が第1位であつたが,43年には電気機械工業が第1位になり,化学工業は第2位になつた。8年間におけるその増加率も,電気機械工業は129.3%で,化学工業の108.5%を大きく上廻つている。第3位の一般機械工業および第5位の食品工業の増加率は,全産業平均の87.3%をはるかに下廻つており,相対的に研究者の増加が少ない業種となつている。これに対して第4位の輸送用機械工業は,製造業平均の90.2%を上廻る92.2%の増加率を示している。

第2-25図 研究者数上位5業種の研究者数推移と増加率

次に,研究者の専門分野別の構成の変化について調べて見た。

研究者の専門分野は,企業の専門別研究者数の上位5分野を選んだ。すなわち,化学,機械・船舶・航空,電気・通信,数学・物理,鉱山・冶金であり,この5専門分野全体で企業の研究者数の約85%を占めている。

まず,これら5専門分野の研究者数が企業全体としてどんな割合になつているかを 第2-8表 に示した。昭和35年から43年までの8年間で機械・船舶・航空をはじめとして,化学,数学・物理の割合は若干増加しているが,電気・通信は減少している。後に見るまうに,電気・通信分野の研究者は,公共的研究機関,大学等でも著しくは増加していないが,理工系学生の増加によつてこの分野の人材の供給は増加していることを考えると,これは,研究者としての需要以上に,生産関係技術者としての需要が強いことのあらわれとみることができる。

第2-8表 企業における専門別研究者の割合の推移

次に,専門分野別研究者が,各産業にどのように分布しているか,またその分布が経済的にどのように変化しているかをみることとする。

第2-26図 ないし 2-31図 は,化学,機械・船舶・航空,電気・通信,数学・物理,鉱山・冶金の5専門分野別研究者が,電気機械工業,化学工業,一般機械工業,精密機械工業,鉱業の各産業へ分布している状況を,昭和35年と43年で比較したものである。

電気機械工業 (第2-26図)

この業種では,過去8年間において最も研究者が増加しており,鉱山・冶金を除いて,いずれの専門分野についてもこの業種への分布率が増加している。電気・通信に比して,数学・物理,機械・船舶・航空の分布率は高まつていることが注目される。これは,研究開発の多様化に伴い,需要構造が変化したことによることが主な理由と考えられる。

化学工業 (第2-27図)

この業種へは化学分野の研究者の集中化が著しく進んでいる。逆に,数学・物理,機械・船舶・航空の分布率はわずかに減少しており,化学分野への需要が圧倒的に大きいことを示している。

第2-26図 専門分野別研究者の電気機械工業への分布の推移

一般機械工業 (第2-28図)

この業種においても,機械・船舶・航空分野の研究者の集中化が著しい。

このほか,数学・物理および鉱山・冶金の分布率がかなり増加していることが注目される。

第2-27図 専門分野別研究者の化学工業への分布の推移

輸送用機械工業 (第2-29図)

この業種では,逆に機械・船舶・航空の分布率が減少し,数学・物理および電気・通信の分布率がわずかに増加している。また,この業種では,過去8年間に研究者数は92%増加しているが,数学・物理,電気・通信および化学の分野の研究者数は,これを上回る増加率になつている。

第2-28図 専門分野別研究者の一般機械工業への分布の推移

精密機械工業 (第2-30図)

昭和35年には,電気・通信がもつとも多かつたが,43年には,機械・船舶・航空の方が多くなつた。また,数学・物理および電気・通信の分布率が著しく減少していることが注目される。化学における増加は,化学分析機器の需要増に伴う研究開発の必要性の増大をうかがわせるものである。

第2-29図 専門分野別研究者の輸送用機械工業への分布の推移

鉱業(第2-31図)

この業種では,過去8年間において,研究者数が減少していることに加えて,全専門分野について,分布率が低下している。とくに鉱山・冶金における分布率の減少は著しく,前述の一般機械工業への場合と対照的である。

第2-30図 専門分野別研究者の精密機械工業への分布の推移

第2-31図 専門分野別研究者の鉱業への分布の推移


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