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第1部   科学技術発展の展望
第4章  経済の効率的発展における科学技術への期待
4  経済基盤の強化と技術開発
(1)  エネルギーの開発


わが国のエネルギー総需要は,昭和43年度には235×1013  kcal (熱量換算)に達し,この10年間に3倍強の増加を示し,国民総生産の伸びを上回つている。このような需要の飛躍的な増大を充足したのは,石油を主とする輸入エネルギーであつた。石炭生産の停滞もあつて,エネルギーの海外依存度は,43年度には77.5%に達した (第1-25表 および 1-26表参照)

経済の成長,国民生活の向上によつて,産業活動と国民生活の基礎をなすエネルギー消費は,今後も一層増大するものと予想されている。さらに,エネルギーの需給構造の変化をみると,電力が照明,動力源だけでなく,多目的に利用され,その需要量が増大することや,固体エネルギーから液体あるいは気体エネルギーへ移行していくことが予想され,また,燃料電池のような小出力エネルギー源の開発が要請されている。

わが国のエネルギーの海外依存度は先に述べたとおり高く,これは安定かつ低れんなエネルギー供給という面において好ましいことではない。

第1-25表 一次エネルギー供給構成比

第1-26表 エネルギー別最終需要構成比

エネルギー需要量の増大,需給構造の変化に対処しエネルギーの国産化という観点から,現在のエネルギー変換技術の高度化,新エネルギー変換技術の開発,未利用一次エネルギーの開発,エネルギー輸送技術の高度化などの技術開発が重要となつている。

現在のエネルギー変換技術の高度化という面についてみると,原子力発電においては,在来型原子炉の主要機器の国産化,さらには新型転換炉,高速増殖炉などの新型炉の技術開発が必要である。また,現在の火力発電については,年平均熱効率は昭和43年で37.6%(発電端)と上昇したが,今後臨界条件以上の高圧高温蒸気による高効率発電技術の高度化などが必要である。

新エネルギー変換技術の開発では,MHD発電技術,燃料電池,アイソトープ発電などの開発が重要である。MHD発電は,在来火力発電との組合せにより総合熱効率を50〜60%まで高めることができ,発電燃料の節約,電力原価の低減,発電に伴う公害の軽減など多くの効果が期待できる。MHD発電技術の開発においては,導電性の高い気体の作成技術,高温,高速気体に耐える装置各部の材質と冷却法の開発,超伝導マグネットの開発,発電プラントとして総合運転した場合の発電特性の解明と各コンポーネントの適合性の検討などが重要な鍵である。また,燃料電池の開発では燃料の選定,電池構造の研究,電池構成材料,高性能,安価な触媒の開発などが問題となつている。

また,半永久的な電源として,宇宙開発,海洋開発などにおいて期待されているアイソトープ電池は,アイソトープの選択により,さまざまなものが考えられるが,比出力の増大,小型・軽量化の実現が実用化の第一歩である。

未利用一次エネルギーの開発では,波力,潮力,風力,太陽熱,地熱エネルギーの開発利用技術の促進などが必要である。

エネルギー輸送技術では,送電ロスを減少させ,長距離,大容量輸送に有利である超高圧送電,直流送電技術の開発や経済的な管路気中送電技術の開発が重要である。


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