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第1部   科学技術発展の展望
第2章  技術発展の動向
1  発展形態からみた技術の動向
(2)  自動化


自動化の発展は,産業技術の分野ではプロセス産業,機械工業,金属加工業,経営あるいは事務部門などで顕著にみられ,そのほか,輸送通信関係においても,その進展は著しい。

プロセスオートメーションは,当初自動制御機能をもつ計器を中心として展開したが,最近では電子計算機の導入による総合的,集中的自動制御へと高度化してきた。メカニカルオートメーションでは,トランスファーマシンやその他自動機械の採用と,各工程の自動化,連続化を中心として展開している。また,ビジネスオートメーションでは,電子計算機の進歩,その他計算作表機械,通信機械の発展,ORその他高度な経営管理方式の発展に支えられてその急速な進展がみられる。

プロセスオートメーションの例として,火力発電所における自動化を概観してみよう。

火力発電設備は,従来,ボイラーの蒸気量,圧力,蒸気温度,給水量,燃焼状態の制御や,タービン発電機の制御,冷却水,油圧系統など補助機に関する制御について,それぞれ個別にかつ機械的に制御されてきた。

しかし,大容量発電所の出現とともに,昭和30年代の初め頃からボイラーの総合自動制御が採用され,さらに,現在では電子計算機の導入による総合的な自動制御が行なわれている。

すなわち,運転状況を監視する自動制御については,電子計算機の導入によつてはじめて可能となり,昭和40年ごろから総合的自動制御方式が開発され43年には本格化した。

起動停止の自動制御は,現在,相当程度まで自動化されているが,まだ完全には自動化されていない。将来の火力発電所における自動制御は,水力発電の場合と同様に,給電指令による直接制御の形になることが望まれており,さらに,10年後を目標に全自動方式の開発が進められている。

次に,メカニカルオートメーションの例として,紡績工業,ベアリング工業および自動車工業における自動化についてみてみよう。

紡績工業では,最近連続自動紡績方式が実用化され,従来労働集約的であつた紡績工業も装置産業化へと変ぼうしつつある。

すなわち, 第1-1表 に示したように,自動前紡設備,オート・ドッファー,オート・ワインダーなどの導入によつて,従来の各工程が大幅に連続化,自動化されている。

ベアリング工業においては,とくに量産型ベアリングの場合,各工程への自動機器の導入,工程の連続化,自動化によつて工程が比較的簡単になつた (第1-3図参照) 。その結果,この分野では,昭和39年頃から設備機械に占める自動機械の割合が急増し,41年には,ほぼ40%近くに達した (第1-4図参照)

第1-1表 紡績工業における製造工程の自動化の状況

第1-3図 ラジアルボールベアリングの製造工程における自動化の状況

第1-4図 ボールベアリング工業に おける自動化の動向

このほか,自動車工業では,車体生産工程におけるマルチウエルディングマシン,機械加工部門におけるトランスファーマシンの急速な普及,型材の搬出入装置の進歩などによつて自動化は著しく発展し,いまや無人化をめざした技術開発が展開しつつある。

輸送,通信関係における自動化の例としては,船舶設備の自動化,航空機の自動着陸方式,ダイヤル即時電話網などがあげられる。

船舶設備では,主機遠隔操縦装置を有する船舶が増加しており,さらにボイラ,発電機,その他の関連補機類の遠隔制御,自動制御なども全面的に取り入れられつつある。また,船舶における荷役の自動化も進展している。

自動化は,制御技術などの発展および労働力不足の深刻化とあいまつて,今後もより一層高度化した形で展開していくことになろう。たとえば,プロセス工業における電子計算機による全工程計算制御システム,機械製造工場の完全自動化,航空機,船舶などの運航の自動化,鉄道における列車制御の自動化,図書館や病院での業務の自動化などが予想され,あらゆる分野で自動化技術の展開がくり広げられるものと思われる。


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