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第7章  諸外国の動向
6  その他
(1)  ユーゴスラビア


スラブ系東欧国の一つであるユーゴスラビアでは,連邦科学研究会議が科学技術行政の中心機関として連邦政府の科学研究振興方策の策定にあたつてきた。同会議はまた,連邦科学研究基金を通じて研究活動の援助と調整を行なつている。連邦科学研究基金は,主として助成金または貸付金の形であらゆる科学技術分野の研究プロジェクトを助成するものであつて,近年は産業界の研究活動振興に力を注いでいる。特に企業の研究開発施設の設立に対し折半負担を条件として無利子の長期貸付を行なつており,最近5カ年の同基金の大半は第7-19表から推測されるように産業界の研究開発のためにあてられたとみることができる。

ユーゴスラビアは,1966年から1970年を目標年度とする社会経済発展5カ年計画期間に入るが,同計画は国民所得の年成長率を7.15〜8.5%,工業生産のそれを9 〜10%とみこみ,科学研究については従来に比し格段に重視しているといわれる。この計画に示された目標においては,研究費の年増加率を14%と推定し,1970年までに倍増をみこんでいる。国民所得に対する比率では′65年の0.8%から′70年には1.0〜1.1%)と推計している。また政府(連邦および構成共和国)の研究投資は年約10%の増加率とし,国全体の研究費に占める政府支出分の比率は′ 65年の40%から′70年では約30%への減少を期待しているが,この背景には産業界の研究活動の活発化が考えられ,′65年の実績では国全体の研究費の半ばが企業により支出されている。同5カ年計画では,持続的かつダイナミックな経済成長に必要な前提条件として,研究成果の生産への導入を重視しているが,さらに経済に直接的重要性をもたない大学等の基礎研究を主とする長期的研究に,重点的配分を行なうとされているのが,新しい方針として注目される。

第7-19表 ユーゴスラビア連邦科学研究基金の研究分野別配分

産業界研究活動の振興策として目立つ動きは,従来の研究用機器輸入に対する関税免除のほかに,国内外から取得される研究用機器類に対する課税控除措置がある。

科学研究に対する政府支出の推移は第7-19表のとおりであり,原子力関係が半ば近くを占めている。連邦政府の支出は国全体の約1/4と推計されているから,国全体のオーダーは約6億デナー(約174億円)と試算することができ,うち産業界の支出はその半ば,すなわち3億デナー(約87億円)とみられる。

第7-20表 ユーゴスラビア政府の科学研究支出の推移


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