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第7章  諸外国の動向
5  ソ連


ソ連は1965年10月最高会議(国会)の決定により行政機構の改革を行なつた。これは従来のソブナルホーズ(各地域経済会議)を中心とする生産体制の改革であり,ソブナルホーズの全面的廃止は一面において利潤の導入等にはじまる企業の自主性尊重の新政策に沿うものであるが,同時に各生産部門(産業)別の国家委員会を省に切り替えることにより,生産を縦の系列に統合し中央統制力が強化されたものとみることができる。これに伴い科学研究活動調整国家委員会も科学技術国家委員会と改称されることになつた。

科学研究活動調整国家委員会は,連邦および構成共和国各省の所管する研究活動の一元的調整を狙いとして1961年に閣僚会議(内閣)に設置され,以来ソ連邦科学アカデミーと協力して全国家的な科学技術政策の策定にあたつてきた。政策の基本的方向は,社会主義体制のもとで科学技術成果の生産への導入を強化することにより,経済成長を促進させようとするところにあつたが,科学研究活動調整国家委員会を引き継いだ科学技術国家委員会も,研究機関と各企業の関係を経済の面から調整すること,および研究成果の生産への積極的な導入を推進することを重要な任務としてあらためて確認している。

ソ連邦科学アカデミーは,この行政改革にこたえて,同年12月「ソ連工業における新技術開発の経済的刺戟に関する全ソ科学会議」を開き,生産と研究の結びつきを強めるため政策実施にさいして取り入れるべき次のような提案を決議した。すなわち,生産力発展との関連において科学技術の長期的見通しを立てること,1980年までの産業機械類の発達の見通しを行なうこと,重要生産部門の科学技術に関する総合計画を樹立すること,生産コスト低減を目的とする関連生産部門の技術発展計画を作成すること,諸企業の技術発展に関する総合計画を作成すること,また,計画の検討方法や計画実施状況の評価方式を改善すること,そのさいに経済的効率に関する指標を織りこむべきこと等であり,さらに研究成果の生産への導入手続,省間にまたがる新しい設備,機器,装置類の設計,製作,試験,運転等に関する手続について法令を定むべきことを提案している。

このほか最近の動向としてはシベリア地方における研究活動の拡大が注目される。同地方における生産力の開発が重視され出したのは比較的近年であり,したがつて研究活動の歴史もまだ浅いといえるが,1957年にソ連邦科学アカデミーシベリア支部の開設を見て以来,ノボシビルスクに科学センターの建設が開始され,イルクーツク,クラスノヤルスク,マガダン,ペトロハバロフスク,カムチャッカ等にも研究所の新増設が行なわれ,同地方の資源や産業と結びつきながら,あらゆる研究分野に急速な成果があげられた。

1957年当時は12を数えるにすぎなかつた研究所数は,′65年末現在では43となり,ソ連の科学技術研究活動の拠点の一つに成長している。ノボシビルスクの科学センターは今日19の研究所を擁し,イルクーツクには新しい学術都市が建設されつつあるが,このほかウランウデ,マガダン,サハリンに総合研究所が新設された。

第7-18表 ソ連国家予算における科学研究費の推移

1966年の科学技術予算は65億ルーブルが計上された。′59年以降の予算の推移は第7-18表のとおりであるが,このほか国防関係で他の費目に計上されている額が少なくないと推測される。これらの国民所得に対する比率は1963年で2.72%に達しており,現在ではこれを上回るとみられる。


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