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第7章  諸外国の動向
3  フランス


フランスは,1966年から第5次の経済社会開発計画期(1966-’70年)に入つた。この国の特色は国家の科学研究計画が4〜5年を期間とする経済社会計画に組入れられているところにあるが,約5%の年間経済成長率を目標とする今次の計画においては,研究資金の大規模な拡大が目ざされている。すなわち,国家予算からの支出を350億フラン(約2兆5,550億円),年平均70億フラン(約5,110億円)とし,民間企業の研究投資を150〜170億フラン(約1兆950億円〜1兆2,410億円),年平均30〜34億フラン(約2,190億円〜2,482億円)と見込んで,1970年には対国民総生産比率2.5%(1963年の実績は1.7%)の投資水準を目標としている。

第5次計画が特別研究(非経常的なもの)について,国防,原子力および宇宙以外の一般科学技術分野において決定している政府支出は,39億フラン(約2,847億円)であり,年平均支出は7億8,000万フラン(約569億4,000万円)となるが,これは第4次のそれの約2倍である。主要分野別にみれば,第7-11表のとおりである。国防,原子力および宇宙関係はここに含まれていないが,宇宙関係については所要予算額として20億フラン(約1,460億円)年平均4億フラン(約2,921億円)がみつもられている。さらに第5次計画では,基礎研究を主体としていた第4次のそれに比べ,企業の生産性向上,国際競争力を決定するものとしての研究開発の重視から,応用研究および技術開発の振興を強調し,特に従来それほど高水準にあつたとはみられない民間企業自身による研究開発活動の振興を目的とする補助金6億フラン(約438億円)を計上している。

これらの計画を包含する政府の研究開発支出は,1966年予算においては第7-12表のとおり92億6,000万フラン(約6,759億8,000万円)と決定している。支出構成において顕著な点は国防研究開発の大きな膨張であつて6割以上を占めており,これに原子力関係をあわせると総額の8割以上となる。両者への支出は数年前は約7割の水準であつた。

第7-11表 フランス第5次計画における特別研究分野別政府投資

第7‐12表 フランス政府の科学技術関係予算1966年


産業界における研究開発活動については,第7-13表のように1963年において総額31億フラン(約2,263億円)の規模であつたと推計される。フランス全体の研究開発実施規模は同年において政府および大学が約31億フラン(約2,263億円)と推計されるから,フランス全体の研究開発活動の半ばを実施していることになる。産業界の研究開発規模は次第に伸びており,1962年のそれは26億フラン(約1,898億円)とみつもられるので対前年増加率は18.6%となる。1960年以降の逐年伸び率は′ 61年21%,′ 62年24%である。業種別には航空機およぴ宇宙関係産業が7億2,600万フラン(約529億9,800万円)で産業界全体の研究開発費の23.6%を占め,次いで電子工業が6億500万フラン(約63億6,500万円)で,19.6%となり,この両者で43.2%と半ば近くを占めている。これは国家の国防,宇宙等の研究計画に基づく政府資金が,これらの産業に大きく流れ入つているためである。政府資金の産業界への支出は同年において9億2,600万フラン(約675億9,800万円),1962年は8億7,000万フランにのぼるが,これが航空,宇宙,電子工業,核技術の3産業分野に集中しており,政府支出総額の89%を占めている。第7-14表は政府支出,企業自己投資の比率を産業別に示したものである。すなわち,航空,宇宙においては7.3%が政府によつて賄われ,核技術では81%,電子工業では37%という比率を示す。この比率はここ数年ほぼ変化がない。

第7-13表 フランス産業界における研究開発実施額1963年

第7-14表 フランス産業界研究開発の資金源構成1963年


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