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第6章  科学技術情報活動
3  諸外国における科学技術情報活動
(1)  アメリカ


アメリカの情報活動の体制は,分散方式の代表的なもので,政府および民間の数多くの情報専門・機関がある。アメリカにおける科学技術情報活動では政府が非常に大きな役割を占めており,また,ぼう大な量にのぼる科学技術情報を有効に利用するために大きな組織と機械化された設備をもつ近代的な情報専門機関が設けられている。国防総省の情報センター  (Defence Doc-umentatatin Center),NASAの情報部門(Scientific and TechnicalInform一ation Facilities),AECの情報部門(Division of TechnicaLinformation)および商務省のクリアリング・ハウス(Clearinghouse for Federal Scientific and TechnicaLinformation)(従前OTSという名称で商務省関係の情報を取り扱つていたが,1964年2月組織を拡大し,国防関係の非機密技術情報も含めて一般にサービスするようになつた。)の4機関は主として理工学系の情報を取り扱つており,農業関係については国立農業図書館(National Agr-icultural Library),医学関係については国立医学図書館(National Library of Medicine)が取り扱つている。

民間の情報専門機関としては,工学分野の学・協会誌に掲載された論文の抄録と索引を掲載するエンジニアリング・インデックス誌を-出版しているエンジニアリング・インデックス社や,生物関係の抄録誌を発行しているバイオロジカル・アブストラクト,化学関係の抄録誌をだしているケミカル・アブストラクト・サービス等約200の専門機関がある。

このような分散型の情報体制のなかで,情報活動の強化のための機関の一つとして,NSF(国立科学財団)科学情報サービス局(Office  of Science Information Service)があり,情報事業に対する助成や情報処理技術の研究の援助を行なつている。また,政府関係の情報専門機関における業務の総合調整を行なうために連邦科学技術会議(Federal Council of Science and Techndogy)に科学技術情報委員会(Committee on Scientific and TechnicalInformation)が設けられている。アメリカにおける情報活動は分散型の体系をとりつつも,このように,漸次全国的な観点からの流通体制の整備がとられてきたが,情報量の増加はますます著しく,最近ではさらに進んだ流通機構の整備が問題になつている。これは,大統領科学諮問委員会の1963年の勧告「科学,政府および情報」(ワイパーグ報告)においても指摘されている情報利用者と必要情報を連結する新しい機構(Switching Method)の整備である。前述の商務省のクリアリング・ハウスは理工学分野における政府機関関係の情報をこのような趣旨で一つの体系にのせようとしたものであり,また,議会図書館にある国立科学技術レフェラル・センター(1962年新設)および実施中の研究についての情報案内をする科学情報案内所(Science Information Exchange)もこのような趣旨の情報案内所として整備されつつある。工学関係の学・協会の連合体である技術者連合協会(Engineers Joint Council)においても,機械化された情報サービスを行なうための機関の設立の計画を進めている。

次に,アメリカにおける情報活動の特色は,電子計算機を利用した機械化が非常に普及していることである。この機械化は,課題や標準化された抄録を計算機に記憶させて,索引誌の作成や検索を機械的に行なう方法であつて,上述の政府関係の情報専門機関はもちろんのこと,民間の情報専門機関の多くはこのような機械化された情報サービスを行なつており,また民間企業においても電子計算機を利用した情報部門をもつているものが数多く見られる。

上に述べた技術者連合協会の計画は,中央処理機関で文献の受付,整理,記憶を機械的に行なつて,利用者はダイアルを廻すと希望する索引や抄録がテレビに写しだされるという完全機械化を目標にしている。


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