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第6章  科学技術情報活動
1  わが国の科学技術情報活動
(4)  情報処理技術


収集した情報の整理および蓄積,整理,蓄積された情報から必要な情報を取り出す検索あるいは機械ほん訳など情報の処理に関する技術は,一般に情報処理技術といわれている。

科学技術文献の整理には,現在,国際十進分類法(UDC)などがあり,一部の専門図書館や学・協会等で使用されており。財団法人日本ドクメンテーション協会はその普及あるいは分類表数に関する研究などを行なつている。

情報の蓄積,検索等の情報処理は,現在カード,フィルム,電子計算機あるいはこれらの組み合わせにより行なわれているが,近年の情報量の増大と,情報の多面的処理の必要性の増大等から,電子計算機あるいは電子計算機と光学的処理装置との組み合せによる情報処理技術の開発に対する要請が極めて強くなつてきている。この方面における研究は,近年欧米諸国においてはかなり発展しつつあるが,わが国においては,ごく一部の機関においてようやくはじめられた程度にすぎない。この種の研究としては,例えば,工業技術院電気試験所において一次情報をできるだけ生まのままで蓄積する専用機の開発研究が進められており,また日本科学技術情報センターでは,抄録の蓄積,検索に適した装置をメーカーと協力して開発し使用している。しかし,後者については,検索にかなりの時間を要し,抄録検索の機械化としては未だ初歩の段階であるので,現在本格的な抄録の機械検索の実用化を行なおうとしている。

機械ほん訳に関しては,欧米ではかなり早くからその研究が進められており,現在実用化に近ずきつつあるものもあるといわれている。わが国では九州大学や工業技術院電気試験所のほか,いくつかの大学や研究機関で研究が行なわれているが日本語と欧米語との言語構造の違いからいまだ実用化にはほど遠い状態である。

また,電子計算機を中核とした情報処現技術に関する学会である情報処理学会は,機械ほん訳,システム・コントロール,ソフトウェアーなどの研究会を開いたり,情報処理についての規格,用語に関する作業を行なつている。

電子計算機を利用して情報処理を行なつている例としては,次のようなものがある。

外務省:外交情報の蓄積,検索
警察庁:犯罪手口,運転免許証不正取得防止の照合
通商産業省:経済データの蓄積,検索
特許庁:一部の特許情報の検索(出願,登記の事務処理)
日本科学技術情報センター:金属工学部門の情報の検索
電々公社:外国の専門雑誌(110種)の論文の標題,著者名の検索
広島大学原爆放射能医学研究所:原爆被爆者の被爆歴,治療歴に関する情報の蓄積,検索
神戸大学経営研究所,経営分析文献センター:経営学,会計学等の論文,内外の経営分析,企業の合理化に関する情報の蓄積,検索

そのほか,企業内部の特許管理に電子計算機とマイクロ・フィルムを組み同わせて使つているところもある。

しかし,一般的にいつて科学技術情報は,その内容が複雑で多岐にわたるため,その機械化処理は,標題,著者名の蓄積,検索程度の域を出ていないもようである。

電子計算機を利用した情報処理は,一次情報やアナログ量の蓄積が困難なこと,あるいは日本語における漢字の使用の問題,蓄積および検索のための分類やキー・ワードの問題等,種々の困難な問題をかかえており,わが国におけるこの方面の研究を早急に総合的に推進することが各方面から強く要望されている。そのためすでにのべたように科学技術会議は,情報処理技術の研究体制および整備計画を早急に検討すべきことを指適しており,また,電子技術審議会も昭和41年に同じような答申を行なつている。


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