ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
 
第6章  科学技術情報活動
1  わが国の科学技術情報活動
(3)  図書館



1 国立国会図書館

国立国会図書館は,わが国における唯一の国立図書館で,上野図書館,静嘉堂文庫,東洋文庫のほか,中央諸官庁の図書館を支部図書館として持つている。当館は,閲覧,貸出しなどの一般業務のほか,これら支部図書館との資料の相互貸借,資料の相互交換,レファレンス・サービスの連携など,実務上の協力活動を行ない,各館の専門化の促進,研修などによる職員の図書館技術の向上など,多くの業績をおさめている。科学技術関係の業務は,参考書誌部科学技術課を中心に行なつており,納本制度により国内の各種図書資料のほか,諸外国の図書,逐次刊行物,レポート類の収集を行なつている。

逐次刊行物については,諸外国の科学技術関係雑誌をひろく収集しており,10,000種をその目標にしている。テクニカル・レポートは,科学技術情報の主要なものの一つであるので,可能なかぎり収集しており,特に原子力関係資料とアメリカ政府の研究レポートは網羅的に収集している。原子力資料の大部分を占めているのはアメリカ原子力委員会(AEC)のレポートであり,当館はこの資料の寄託図書館に指定されている。アメリカ政府の研究レポートには,PBレポート,ADレポートがあり,特にADレポートはアメリカ政府の技術情報機構の整備に伴い年々その数が増えている。また,アメリカのNASAレポート,RANDレポートなども収集している。このほかにも,アメリカの主要大学の学位論文でマイクロ・フイルム化されたものを一括入手しており,諸外国の自然科学系の学・協会が刊行する論文もつとめてひろく収集している。

また,当館ではアメリカのASA,ASTM,イギリスのBS,ドイツのDINなど主要国の代表的な規格類も収集している。

当館では,これらの資料がひろく一般に広報されて利用の途が開かれるよう,科学技術関係の各種の目録類を刊行している。これらの目録類には,科学技術文献サービス,海外科学技術資料月報,原子力関係資料目録,アメリ力原子力委員会寄贈文献目録,各国原子力関係機関発行資料目録,航空宇宙文献目録,日本の科学技術定期刊行物目録およびPBレポート所蔵目録がある。

当館の蔵書数は,第6-5表のごとく年々増加しており昭和40年度末現在220万冊あまりである。これは,納本,購入,受贈,国際交換,移管,寄託の形で集められたものである。逐次刊行物の収集数は,第6-6表のごとく,毎年かなりの増加をみていたが,昭和40年度は,内容の吟味を行ないかなりの休廃止を行なつた。

第6-5表 蔵書数

第6-6表 逐次刊行物の受入れ

これらの収集資料のうち,昭和40年度に行なわれた国際交換による図書,逐次刊行物は,第6-7表のごとくである。

この表をみると,アメリカ,ヨーロツパなどの先進諸国との交換が最も多く,国際機関では国連が最も多い。しかし,アジア,アフリカ地域との交換もかなり行なわれている。

第6-7表 図書,逐次刊行物の国際交換(受託分を除く)(昭和40年度)

次に,当館の提供業務のうち,閲覧,貸出し,複製処理,レファレンス・サービスについてみると, 第6-8〜10表 のごとく,いずれにおいても増加していることがわかる。

とれらの表を閲覧と貸出しについてみると,昭和40年度の閲覧者は409,000人,貸出し利用件数は約29,000件,貸出し図書冊数は,約57,000冊である。

したがつて閲覧者の約14人に1人が貸出しを受けており,1人の借出し冊数は平均約2冊である。

第6-8表 閲覧・貸出しサービス

第6-9表 複製処理サービス

第6-10表 レファレンス・サービス

また,複製処理についても各種の方法を用いて盛んに行なわれていることがわかる。

次に,レファレンス・サービスについては,年間を通じて約58,000件である。これは文書による回答,資料の提供,口頭による回答(電話によるものを含む)などの形で行なわれており,口頭による回答が最も多く全体の約88%を占めている。


2. 大学図書館

大学図書館は,戦後の新制大学発足当初の事情もあり,各大学間に格差がみられるとともに,図書館の組織および機構が未整備であり,全学的な総合的管理運営,または連絡調整が行なわれていない場合が多いと従来いわれてきた。

日本学術会議では,昭和39年に大学における図書館の近代化について,また,昭和40年に「科学研究計画第1次5ケ年計画」のなかで大学図書館の近代化と学術情報組織の確立を勧告した。

また,文部省では,これら大学図書館の改善方策として,昭和40年から大学図書館視察員を設置し,組織運営についてその大学の実情に即応した指導,助言にあたることとなり,昭和40年度は,150の国,公,私立大学図書館について,実地視察を実施している。昭和41年度からは,これに加えて,国,公,私立大学図書館の実態の詳細な把握のため,実態調査もあわせ実施することとなつた。また,東京大学および京都大学の図書館の事務部制に加えて,昭和40年度は,北海道大学,東北大学,名古屋大学,大阪大学および九州大学の5大学にこれを実施し,地区学術情報サービスのための拠点とするため組織の強化をはかつた。このほか文部省においては,大学図書館改善および学術情報の振興のため諸般の施策を実施している。


3. 公共図書館

公共図書館は,昭和40年4月1日現在,都道府県立77館,市区立450館,町立193館,村立17館,私立36館,総計773館ある。公共図書館においても主要業務は,閲覧,貸出しサービスおよびレファレンス・サービスであるが,住民がレファレンス・サービスになれていないためその利用はあまり盛んではない。

しかしながら図書館に対する需要が増大し,質的にも高度化しつつある現在,公共図書館が科学技術の普及活動に果たす役割は大きく,その拡充,整備が望まれている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ