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第5章  技術の交流
3  国内における技術交流
(4)  研究組合の現状と外国の制度


研究組合制度は,わが国の共同研究推進の一方策として法律化され,助成されているものであるが,以下わが国の現状と西欧諸国の共同研究体制について紹介することにする。

1 日本における研究組合制度

本制度は,事業者が共同研究を行なうのに適した組織をつくることを助成するために,昭和36年に鉱工業技術研究組合法として法制化されたものである。

この研究組合制度は,特定の試験研究課題を中心に運営されるものであることが特色で,現在までのところ,大企業よりむしろ中規模の事業者間で利用されている。国は,研究組合に対し,税制上の優遇,あるいは補助金交付による研究活動の助長などを図つており,昭和40年度には,新たに重油焼成による石灰の製造方法についての工業化試験を行なうことを目的とした石炭重油焼成研究組合が設立された。

現在設立を認められている研究組合は11に達しており,昭和40年度においては,レンズ量産工程用検査装置の試作研究,建材用アルミニウム陽極皮膜の新封孔処理法の開発に関する研究など4件に対して計1,410万円の鉱工業技術研究費補助金が交付され,昭和36年度以降昭和40年度までに研究組合に対して交付された補助金総額は約5億4,000万円になつている。

第5-8表 鉱工業技術研究組合一覧

2  イギリス

イギリスの産業研究組合(IndustriaI Research Association)は,世界最初の試みとして1916年に発足したものであるが,1964年には組合数48,年間総収入1130万ポンド(うち政府補助金260万ポンド)に達している。

政府は1965年,科学技術法に基づき,旧科学技術研究庁(DSIR)の産業助成委員会(IndustriaI Grants Committee)から新設の技術省に研究組合に関する担当を移したが,現在,政府は,,育成を要する研究組合に対しては補助金の交付,加盟企業の研究組合に対する拠出金の非課税扱いなどを行なつている。

政府補助金には,基準補助金と追加補助金があるが,基本補助金は,研究組合が今後5カ年間にわたり加盟会社から調達金を期待しうる最低額(予想)をベースとしてこれにある比率を乗じた額を5カ年間にわたり継続的に交付されるものである。追加補助金は上記の最低額以上に資金調達の実績をあげた場合に,その追加額のある一定比率が与られるものである。

現在存在する研究組合は,繊維およぴ洗濯,産業用粉末,産業生物学,電気,内燃機関,産業心理学,熔接,船,工作機械,ならびに計装および自動化等の各分野について組織されているものである。

3  ドイツ

連邦経済省は,産業界の共同研究の機運を助成するため,1954年工業研究団体連合会(AIF)の設立を援助し,研究補助金の交付をこのAIFを通じて行なうことによつて共同研究の育成に努めている。

ドイツにおける共同研究は,約100の団体により行なわれているとみられ,その団体の2/3はAIFに属している。

AIFは,工業共同研究の実施と促進を図り,一共同研究の必要性の認識と支持を確保するため,連邦経済省,ドイツ経団連,ドイツ学術振興団の肝入りで設立されたものである。

AIFの活動資金は,産業界よりの支出と連邦および州の補助金から成つている。

4  フランス

フランスでは,研究組合にあたる名称をもつ機関はないが,実質上これに近い業界の共同研究機関は1963年には約50あつた。

フランスでは共同研究に対しては,政府が補助金支出のごとき助成策を講ずるのではなく,共同研究所に関する法律を制定して共同研究を促進する方針をとつている。

フランスの共同研究所は,組織内に業界代表,政府の任命した代表などを含む理事会がある。

これらの共同研究所の助成策は,法的措置によつているところが特徴である。これらとしては,1901年,1943年,1948年に制定された三つの法律があり,それぞれ対応した研究機関があるが,わけても1948年の法律は,共同研究所の設立を推進する手段を与えるもので,技術的進歩に消極的な業種に対して,法律によつて分担金を義務づけることによつて,共同研究所の設立に協力せしめている。


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