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第4章  国際協力
2  技術協力活動
(1)  指導訓練に関する技術協力


指導訓練に関する技術協力の方法は,1) 開発途上国の政府および関係機関の職員や,民間産業人,学生などをわが国に受け入れ,国内で技術訓練,学校教育などをほどこす方法,2) 現地に技術訓練センターを設立し,わが国から指導技術者を派遣して現地人を訓練する方法,3) 訓練センターは特に設立しないが,わが国から相手国の学校,職業訓練所,工場などに指導技術者を派遣して技術指導や職業訓練を行なう方法などがある。これら各種の技術協力事業のうち,政府ベースの事業は原則として政府が海外技術協力事業団に委託して実施しているが,政府留学生の受入れについては,国立大学,国立試験研究機関などが,またアジア生産性機構(APO)による生産視察団などの受入れは,政府の委託を受けて生産性本部が実施しているし,また,海外技術協力センターのうちでも最も規模の大きいカルカッタの小規模工業センターは,日本機械工業連合会が政府の受託を受けて運営にあたつているなど,海外技術協力事業団を通じない政府ベースの事業も少なくない。

民間ベースの事業については,海外技術者研修協会が研修生の受入れを,日本商工会議所が指導技術者の派遣と中小企業の海外進出のあつ旋を分担実施している。

指導訓練に関する技術協力の中心をなすのは,研修生,留学生のわが国への受入れであるが,最近は海外技術協力センターの増加に伴つて現地での指導訓練も次第に増加の傾向にある。

1 研修生,留学生の入れ

研修生,留学生の受入れについて,これまでの推移をみると第4-1図のごとくであり,民間ベースによるものがここ数年間着実な伸びを示しているのに対し,政府ベースによるものは昭和36年度以来伸びなやんでいる。

第4-1図 留学生,研修生の受入れ数の推移

また,,これらの来日研修生,留学生を国別にみると第4-2図のごとく,中国(台湾),インドネシア,タイ,インドなどの東南アジア諸国が圧倒的に多く,全体の87%を占めている。

政府ベースの研修生の受入れについては,1)コロンボ計画や国連の諸計画など国際技術協力事業の一環として行なわれるもの2)賠償,その他開発途上国との協定に基づいて行なわれるもの3) 相手国政府の一般的な要請に基づいて行なわれ,るものなどがあるが,コロンボ計画によるものがその過半数を占めている。研修に要する費用は原則として日本政府が負担しているが,国連や相手国政府が渡航費,滞在費を負担している場合もある。民間ベースの研修生の受入れは,わが国の民間企業に,よつて行なわれるものであり,研修分野もプラント類の輸出や企業進出に関連の深い鉱工業が大きな比重を占めており,来日する研修生も開発途上国の民間企業の技術者が中心となつている。

第4-2図 留学生,研修生の受入れ実績の地域別国別内訳

留学生の受入れについては,政府ベースで行なつているものは,学部留学生,研究留学生,医事修練生,工場等実習生およびインドネシア賠償留学生の5種類である。

2  指導技術者の派遣

指導技術者の現地派遣について,これまでの推移をみると,第4-3図のごとくである。

第4-3図 指導技術者の派遣数の推移(海外技術センター開発調査関係を含む)

この表をみると,昭和35年度が最高で以後年々減少しているが,このことは派遣期間の長期化,あるいは開発途上国からの盛んな要請にもかかわらず,適当な人材が不足して果たせなかつたなどの理由が考えられる。この資料によるのため昭和40年度からは,新たに政府ベースにより青年海外協力隊を派遣することとなつた。

これは実際的な技能と経験を生かして活動にたずさわるものである。

指導技術者の派遣先の内訳は第4-4図のごとく国別ではブラジルが多いが,地域的には東南アジアが全体の63%とその過半数る占めている。

政府ベースの指導技術者の派遣は,主としてコロンボ計画,中近東アフリカ技術援助計画,中南米技術援助計画,アジア生産性向上事業などによるものであり,コロンボ計画によるものが優位を占めている。

第4-4図 指導技術者派遣実績の派遣地域別国別内訳

民間ベースの指導技術者の派遣は,わが国の民間企業の貿易活動や海外投資,技術輸出などに関連して行なわれる場合と,相手国企業の要請に基づいて行なわれる場合とがあり,いずれも鉱工業関係が大部分を占めている。このうち前者については,政府の補助は行なわれておらず,派遣技術者の数も正確には把握されていない。これに対し後者は日本商工会議所が技術者派遣のあつ旋を行なつている。

3  海外技術協力センター

海外技術協力センターは,開発途上国に最も不足している技術者,特に中級以下の技術者をこれら諸国の国内において養成訓練することを目的に設けられているものであり,わが国は訓練に必要な機械,工具,教材などを供与するとともに指導技術者を派遣し,相手国は土地建物その他の附帯施設を提供し,センターの運営維持費を負担する相互協力方式によつたものである。現在までに設置されたものおよび設立準備中のもので海外技術協力事業団の関係分は,第4-3表のごとく21センターにのぼつている。

この表よりわかるごとく,開発途上国において必要とされている人材養成の分野は,第1次産業ないしは第2次産業においても軽工業などが中心である。

わが国も明治以来先進国に追いつくべく努力してきた過程において,現在開発途上国が進んでいる道を歩いてきたことを思うと,わが国こそこれらの諸国の実情を最も理解できる立場にあるといえる。したがつて,このような海外技術協力センターでの現地の実情にそくした指導は特に充実することが望まれている。

第4-3表 海外技術協力センター一覧



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