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第4章  国際協力
1  国際協力機構とその科学活動
(3)  二国間協力


科学技術における二国間協力活動は,経済利害ないし研究テーマなどを共有しているために,二国間で協力を行なつた方が効果的であるとの認識に基づいて行なわれるものである。

わが国は,経済,貿易をはじめ学術,文化などの面でアメリカとの関係が極めて深く,このため,わが国の二国間協力はアメリカとの協力が大きな位置を占めている。このほか,オーストラリアとの協力活動が行なわれており,また,西欧,東欧諸国との協力関係や開発途上国への協力についても考えられている。

1 日米科学委員会

日米科学委員会は,平和目的のための日米間の科学協力に関する方策を検討し,その結果を両国政府に報告ないし勧告することを任務としている。この委員会は,毎年1回日本またはアメリカで交互に開催されているが,協力の強化が望ましいものとして現在まで勧告されている分野は,1)科学者の交流,2) 科学技術情報および資料の交換,3) 太平洋地域の地球科学,4) 生物科学,5) 医学,6) 科学教育,7) ハリケーンと台風に関する研究であり,各々専門分科会が設置され,科学者の訪問活動,セミナーの開催,各分野における各種の共同研究などを活発に推進している。昭和40年6月に第5回会合が東京において開催され,前記7分野の専門分科会から提出された報告に基づいて,前回以後実施された事業の検討と,今後の方針が討議された。その結果委員会は,従来の医学分野の研究領域に「神経生理学」,「生気候学」および「大気汚染の人体に対する影響」を加えること,ならびに農薬による汚染から生ずる有害な作用について両国が当面している問題の重要性にかんがみ,新しい協力分野として,  「農薬に関する研究」を取り上げることを両国政府に勧告した。また委員会は両国にとつて地震予知の研究が重要性を持つものであることを認め,「太平洋の地球科学」の専門分科会で共同研究計画を策定させることにした。

第6回の会合は,ワシントンにおいて昭和41年10月開催されたが,今回は発足5周年になるので,本委員会のなした活動の状況全般について報告書が提出された。

2  日米天然資源開発利用会議

日米天然資源開発利用会議は,人的および天然資源に関し技術者と技術情報を日米両国間で交換し,応用科学面で両国政府の協力を強化することを目的として発足したものである。

本会議では,両国相互の利益になる研究課題として,1) 塩水転換技術および副産物の利用,2) 大気汚染,3) 水質汚濁,4) 新エネルギーの開発,5) 牧草類の種子生産技術,6) 貯水池および水田の蒸発防止,7)ボツリヌスその他の有毒微生物に関する研究の7つが選ばれており,それぞれの研究課題に応じて,7つの専門部会が両国に設置されている。昭和40年6月には第2回会合がワシントンで開催され,過去1年間の活動状況が報告されて,今後の方針が検討された。本会合においては新たに 1)国立公園の管理問題,2) 家畜および家禽のマイコプラズマ病(一種の微生物に基因する病気)に関する研究の2項目が追加された。第3回会合は東京において昭和42年春開催される予定である。

3  日米医学協力

昭和40年1月の佐藤内閣総理大臣とジョンソン大統領との会談で,アジアのすべての人々にとつて重大な関心事である保健上の問題が数多くあることに留意し,医学面における日米両国の協力計画を拡大することが合意された。このことに基づいて,  「日米医学協力委員会」およびその専門部会の第1回会合が,昭和40年10月ホノルルにおいて開催された。本医学協力計画では,1) コレラ,2) 結核,3) らい,4) ウイルス性疾患,5) 寄生虫疾患の5専門部会に分かれて共同研究が行なわれることになつた。

また,昭和41年8月に第2回会合がわが国で開かれ,新たに低栄養専門部会を設置すること,科学者の交流を拡大すること,WHOとの協力体制を強化することなどについて合意がなされた。

4  その他

1) 日豪科学技術交流では,昭和35年より科学技術者の交流および科学技術情報の交換を行なつている。 科学技術者の交流については,連邦科学技術研究庁(CSIRO)との間で行なわれており,現在,毎年日本側へ1名,オーストラリア側へ2名の研究者の交流が行なわれており,このほか,科学技術関係者の交流も行なわれている。科学技術情報の交換については,CSIROと日本科学技術情報センターとの間で必要な情報の交換を行なつている。
2) オーストラリアのほかにも,わが国とイギリス,スイスなどとの間に科学技術者の交流および科学技術情報の交換が行なわれようとしている。スイスからは,昭和41年度に,電子工学関係4名の教授からなる視察団が来日した。
3) 東欧諸国についても,ソ連邦,チェコスロバキヤ,ブルガリアなどがわが国との科学技術交流に関心を示している。 ソ連邦については,農林省において農業技術交流を進めており,また外務省では文献,映画などの交換が行なわれており,さらにその他の省庁においても若干名の科学技術者の交流が行なわれている。チェコスロバキヤも昭和41年3月に9名からなる科学技術調査団が来日した。また,ブルガリアについても,建築技術関係の調査団が昭和40年10月に,また化学,電子工学関係の調査団が昭和41年9月に来日した。このほかにもユーゴスラヴイアから交流希望の申し出があつた。
4) 開発途上国については,フイリッピンなどとの間で科学技術交流が行なわれている。フイリッピンについては,おもに人工降雨とエルトール・コレラについての研究協力が行なわれている。 人工降雨については,昭和39年12月にわが国からフイリッピンに調査団を派遣し,昭和40年10〜11月には同国科学者が実験施設などの視察のため来日した。以来,フイリッピン側ではこの研究を大規模に行なつており,わが国の指導を期待している。エルトール・コレラについては,WHOと日,比3者の共同事業として推進されており,わが国もこれに積極的に参加している。 また,アジア,オセアニア地域諸国の科学技術振興のためにエレクトロニクスの果たす役割に着目し,昭和36年以来隔年アジア・エレクトロニクス会議をわが国で開催し,毎回10数カ国から20名余の外国参加者をえている。

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