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第3章  科学技術人材
1.  研究関係従業者の推移と構成
(4)  「会社等」の資本金階層別および産業別構成と推移


研究活動の大規模化,組織化の傾向が強まるとともに,民間の研究活動が大企業をを中心に進められるようになつたことは,すでに第2章で述べたところであるが,研究関係従業者数についても似た傾向を見出すことができる。

まず,研究関係従業者数について「会社等」における動きをみると,昭和36年を100とした場合,昭和40年は135となり,研究費の指数207と比較した場合,かなりに低い数値となつている。( 第3-10図 参照)

対前年増加率では,第3-11図のごとく昭和37,38年が10%を越しており,また,その人数でも1万3,000人,1万8,000人の増加となつている。しかし,昭和39,40年は7.6%,3.1%,とその増加率は減少し,特に昭和40年は,人員の増加でも5,700人と最低の値となつている。このように研究関係従業者数は,近年伸び悩みの傾向を示しているが,研究費が増加していることを考えた場合,昭和36〜37年度は,研究活動の量的な拡大時期であり,今後の資料で確認されることとなろうが,39年度以降質的な充実期に入つたとも考えられる。

研究関係従業者数を資本金階層別にみると,第3-12図のごとく過去5年間に増資等により,階層が上つた企業が多数みられるため資本金100万円以上1,000万円未満の小企業の民間間企業全体の中に占める比率が急激に低下しているのが目につく。

すなわち,昭和36年は「会社等」全体の16%であつたものが,昭和40年には6%へと低下し,またその人数でも2万1,000人から1万人へと1万1,000人の減少を示している。また資本金1億円以上10億円未満の階層では,昭和40年に急激な減少を示し,その構成比は前年の19%から11%へ,人数では,3万4,000人から2万人へと1万4,000人の減となつた。これに対し,資本金100億円以上の企業では,年年その比率を増加させて,昭和36年の17%は,昭和40年には32%へと大巾に増加し,人数でも22,582人が58,587人と2倍以上に増加している。このような,小企業の比重低下,大企業への集中といつた現象は,各階層間に多少の変動は生じても,今後も似たような形で進行するものと思われる。

第3-10図 「会社等」研究関係従業者,研究費の推移

次に,研究者数について,時系列的にみると,全体としては昭和37年から昭和39年にかけて研究者の量の増加がかなり進んでいることがうかがえる。

昭和38年は前年に比し,8,000人,35年は6,000人の増加とこの両年で,現在の研究者の約1/4を占めていることになり,先の研究関係従業者数の動きと照らし合わせ民間企業の研究は昭和39年頃より質量ともに充実したともいえるであろう。

しかし,資本金階層別の研究者数では,必ずしも一様な増加は示さず,先の研究関係従業者と同じく小企業の比重が急激に低下し,大企業がますますその比率を高めつつある。

第3-11図 研究者,研究関係従業者 数対前年増加率推移

第3-12図 資本金階層別研究関係従 業者構成比推移

これを資本金階層別の研究者数の分布でみると第3-13図のごとく資本金100万円以上1,000万円未満の階層は,昭和36年の18%(「会社等」全研究者の中に占める比率,以下同じ)は,昭和40年にわずか5%となり,人員も7,800人が2,900人へと激減している。一方,100億円以上の階層では,15%から29%へと,10億円以上100億円未満の階層では29%から33%へと増加を示している。その他の階層ではわずかに減少しているものの,特に目立つた動きは示していない。昭和39年から40年への研究者の増減については,資本金階層別の差が非常に明確で,資本金100億円以上の企業が約3,000人の増員を示しているのに対して,資本金100万円以上1000万円未満の階層では約2,500人の減少,資本金1億円以上10億円未満の階層では約2,000人の減少と,その階層によつて全然逆の動きを示し,大企業では,研究者の増加が着実に続けられていることを示している。

第3-14図により研究者1人当りの補助者等の人数の動きをみるとまず資本金100億円以上の階層では,ほぼ2.5人〜2.6人の間で,特に年による変化は認められない。

また,他の階層に比べれば,この人数は最も高い値でまだ他の階層に比べれば,この人数は最も高い値であり,しかも,年々の変化が見られないことは現在のような研究活動が続けられるものとすれば,一般的にいえば,2.6人あたりが,民間企業の研究において負担しうる限度であるのかもしれない。その他の階層では,年によつてかなりの変動がみられ,一定の傾向,特徴は見出せないが,近年は平均して2人弱といつたところに集中化の形にあり,階層による差異は余りみられなくなつた。

第3-13図 資本金階層別研究者数構成比推移

この補助者等をさらに職種別にみた場合,各年とも,研究補助者の人数に階層別の差異が強く表われており,資本金が高くなるほど,人数も増加の傾向にある。年次別では小企業の動きが,大企業に比し激しい。技術関係者については,大企業は減少の傾向にあり,事務その他の関係者は,階層による差がほとんどみられない。

次に,産業別に研究者数の構成をみると,第3-15図のごとく昭和40年4月1日現在では,化学工業で24.3%,電気機械工業が22.4%とこの両産業でほぼ半分の研究者を占めている。

これ以外の産業としては,機械工業の10.5%,輸送用機械工業の5.8%が続くが,前二者に比し格段の相違がある。また,この研究者数を時系列でみると,大部分の産業は年によつてかなりの変動がみられ,一定の割合で増加しているような産業は少ない。

化学工業では,昭和39年までは,着実に増加したが,昭和40年には逆に減少し,電気機械工業も昭和35年以降昭和39年までかなりの増加を示したにもかかわらず,昭和40年にはかなり減少している。この両産業の減少が,「会社等」の研究者の減に大きく響く結果となつた。しかし,全般に昭和40年は,研究者が減少しており,食品工業,繊維工業,鉄鋼業,輸送機械工業などの主要産業もわずかではあるが減少となつた。昭和36年以降の動きをみると増加率が高い産業としては,建設業,化学工業,非鉄および金属工業,電気機械工業等で,昭和36年を100とすれば,それぞれ284,168,188,155となつている。このなかでも化学工業と電気機械工業は昭和40年の研究者数でともに1万人を越しており,しかも39年までの増加の割合は非常に安定している。これに反し建設業と非鉄および金属工業は,絶対数も低くしかもその動きは年により減少,増加の幅が大きーく非常に不安定であり,40年に他産業と反対に非常に増加したために特に目立つ結果となつた。これらとは反対に,昭和36年を基準として研究者が減少している,産業としては,鉱業および窯業があり,その指数は59,および74である。なかでも鉱業は,昭和35年以降年々研究者が減少している唯一の産業である。この両極の産業を除いた残りの産業は,ほぼ平均化されており,機械工業の148から繊維工業の105まで,大体130前後の値を示している。

第3-14図 資本金階層別研究者1人当り研究補助者等人数推移

第3-15図 産業別研究者構成比推移

次に,研究関係従業者数は,研究者とほぼ似たような動きを示しているが,昭和40年は,研究者の動きとは逆に大部分の産業は例年どおりの増加を示している。しかし産業別では,繊維工業,鉄鋼業,電気機械工業および輸送機械工業は減少を示しており,これに対して化学工業および機械工業が大幅な増員となつている。これをその構成比でみても第3-16図のように,化学工業と機械工業が大幅にその比率が上昇しているのに対して電気機械工業,繊維工業,鉄鋼業等が減少している。

第3-16図 産業別研究関係従業者数構成比推移

第3-17図 産業別研究者1人当り研究補助者等人数推移

産業別の研究者1人当り研究補助者等の人数は,昭和40年の研究者の減少もあり,一般に増加の傾向となり,製造業では,繊維工業の3.36人から,機械工業の1.87人まで,大体2〜3人の範囲内にある。しかし,各産業とも,時系列的にみて,それぞれ産業毎に固有の人数を示し,全般的に増加の傾向にあるものの年によつて大きく変化する例は余り見当らない。( 第3-17図 参照)


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