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第1章  政府の施策
7  その他の主な施策


1 研究学園都市建設の推進

国立試験研究機関の研究活動をより効率的に推進するために,研究環境の改善,研究体制の整備,施設設備の共同利用,共同研究の円滑化,人的交流の活発化等の見地から研究学園都市建設の構想がもたれ,現在筑波山ろくに大学,民間研究機関を含めた研究学園都市の建設計画が推進されつつある。昭和40年度は,研究学園都市建設推進本部に総括部会,用地部会,移転機関部会,公共施設部会の4部会を設け,用地買収,移転機関の施設設備,各種公共施設および生活環境の整備,民間研究機関・私立大学等の導入などの主要な問題について検討を進めるとともに,新都市建設のため全体計画の再検討と10年後完成を目標とする年次別計画の作成にとりかかつた。計画によれば,新都市の人口規模はおよそ16万人であるが,移転が予定されている国立試験研究機関は, 第1-18表 に示されるごとく工業技術院さん下の9機関をはじめ土木研究所,建築研究所,気象研究所,国立防災科学技術センターなど理工系20機関,農業技術研究所,林業試験場,畜産試験場などの農林水産関係14機関,国立がんセンター,国立予防衛生研究所などの医学系4機関その他であり,これらの機関の整備充実を図りながら移転または新設が10ケ年計画で実施される予定である。すでに,農林省では農林研究団地建設計画として,工業技術院では在京試験研究所の団地化計画として基礎的な調査や計画作成を進めている。以上の新都市計画のうち,新しい構想の一つとして研究団地に建設予定の共同利用施設があるが,これは将来試験研究を円滑に推進できるようこれらの研究機関が共同で利用することが効率的であると考えられる計算,分析,工作,材料試験などのセンターの建設や会議場の整備などによつて大規模な研究補助機能の整備充実を図るもので,目下科学技術庁が中心となつて検討を進めている。

第1-18表 研究学園都市に移転を予定する既存の国立試験研究機関等

2 主な審議会等の活動状況

研究推進についての基本方針あるいは重要事項を審議する機関として前述の科学技術会議のほかに原子力委員会,宇宙開発審議会,海洋科学技術審議会などがあり,これらの審議会等はそれぞれ設置の目的に沿つて活発な活動を行なつており,政府はこれらの答申,意見等を尊重して研究推進にあたつている ( 付表1-1 参照)。 科学技術関係の主な審議会等の最近の活動状況は次のとおりである。

まず,総理府所属の審議会のうち原子力委員会は,最近の内外の情勢の変化に即応して昭和36年に策定した原子力開発利用長期計画の改訂に着手することになり,41年9月原子力開発利用長期計画改訂の基本方針を決定した。新しい長期計画では昭和50年度までの今後10年間の原子力開発利用の推進計画および重点施策の大綱を明らかにし,あわせてこれに必要な資金,人材等の見通しを示すことを予定している。

宇宙開発審議会は昭和41年8月人工衛星打上げおよびその利用に関する長期計画について内閣総理大臣に建議を行なつたが,その内容はさしあたつて昭和45年度までの人工衛星計画として科学衛星計画および実用実験衛星計画の推進,人工衛星計画の技術的基本方針,衛星の追跡,ロケットの誘導制御などの,研究開発に関する科学技術的課題ならびに計画推進のための体制等の諸点をとりまとめたものである。

海洋科学技術審議会は,昭和40年以来,海洋科学技術に関してほぼ10カ年を目途とする長期的な海洋科学技術に関する総合調査研究計画の実施体制について審議を重ねており,近いうちに「海洋科学技術推進の基本方策について」(諮問第1号)に対する第3次答申としてとりまとめる運びとなつた。

次に,科学技術庁所属の審議会のうち,まず航空技術審議会は,昭和41年3月以来ジェット輸送機の航空安全に関する技術的問題点およびその具体的対策について審議を進め本年7月に基本的かつ長期的に研究開発すべき技術的問題点の骨子ならびにその具体的対策のうち緊急に研究に着手すべき事項について中間答申を行なつた。電子技術審議会は,技術革新をになう中核的基盤技術の一つである電子技術に関する総合的研究開発の具体策について審議を進めてきたが,昭和41年6月に重要研究プロジェクトの設定,国立研究機関の拡充強化,民間研究の助成,人材の養成などの諸点について第1次答申を行なつた。なお,基礎電子技術部門については引き続いて審議を行なうこととなつた。また,資源調査会は,資源の保全,開発,利用等の資源の総合的利用について調査審議を行なつているが,昭和40年度以来とりまとめた主な勧告および報告事項は次のとおりである。勧告としては,工業都市建設におけるパイプライン網の整備,水力発電の促進,自然休養地としての森林の保全開発,家族生活の総合調査などに関するものがあり,報告としては,わが国の合成ゴムの国際競争力,水資源の変動様相,大陸棚鉱物資源開発の現状,重油の低硫黄化,九頭竜川の治山治水,瀬戸内地域開発などに関する調査結果がある。

さらに,各省関係の主な審議会のうち,測地学審議会は,昭和41年7月に次の3項目について,文部大臣等関係各大臣に対して建議を行なつた。すなわち,昭和39年度からわが国が参加している国際地球内部開発計画(UMP)について45年度まで計画を延長し研究を継続すべきこと,40年度から実施されている地震予知の研究計画についてこれを一層拡充強化すべきこと,および宇宙空間科学推進に伴う地上観測研究体制を一層強化する必要のあることが建議された。また,学術奨励審議会では,昭和41年7月に溶接研究所(仮称)の設立について,同じく8月に素粒子研究の将来計画,がん研究の体制の推進,大型電子計算機の整備計画等についてそれぞれ文部大臣に対して報告を行なつた。

電子工業審議会は,通商産業大臣の諮問にこたえ昭和41年4月に電子計算機工業の国際競争力を早急に強化するための対策について,施策の基本および開発・生産体制等に関する具体的施策を答申した。また,昭和41年5月以来国産中型輸送機YS-11の量産事業推進のための施策について審議を行なつてきた航空機工業審議会は同年8月にその対策につき,通商産業大臣に答申を行なつた。

造船技術審議会は,巨大船建造上の技術的問題点およびその対策について,昭和40年12月に運輸大臣に対して答申を行なつたが,本答申においては船型,構造,運航性能等の技術的問題点が指摘されるとともに,その解決策ならびに研究体制の整備の方針が示されている。なお,この答申に関連して当面の研究体制を刷新するための具体的方策については現在審議中である。

電波技術審議会は,昭和41年3月に,次の諮問事項について郵政大臣に対して答申を行なつた。すなわち,1)国際無線通信諮問委員会(CCIR)の研究調査に対し,日本として寄与すべき事項,2)陸上移動業務の技術的諸問題,3)妨害電波および妨害高周波電流の防止に必要な技術的諸問題,4)国際無線障害特別委員会(CISP,R)の諸規格について,5)UHF(極超短波)テレビジョン放送の技術的諸問題,6)電波天文業務用受信設備の保護基準,などの各事項について答申が行なわれた。なお,宇宙開発に伴う電波利用技術の将来方向,FM放送の技術的諸問題などについては現在継続審議中である。

3 科学技術の普及・啓発活動

科学技術に関する普及・啓発には,科学技術に対する一般国民の理解と認識を高めるための教育,啓発,顕彰等の活動と,中小企業,農林水産業等への高度技術の適用・普及活動の二つの面がある。前者については,科学技術功労者の顕彰,発明の奨励,研究成果の普及,学術情報活動の普及,学術および科学技術映画の製作普及,・科学博物館の整備,各種広報啓発誌の発行や科学技術週間,防災の日,原子力の日などを中心とする各種の行事ならびに地方発明センター,日本科学技術振興財団,日本学術振興会等の行なう普及活動に対する援助,さらに地方科学技術振興会議の開催,原子力セミナーの開催等による各種の普及・啓発活動が推進された。後者については,中小企業の技術改善や技術指導,技術研修等に対する助成を行ない,また技術士制度の活用を図るとともに,農林水産業においても農林水産業改良普及制度の充実に努めた。

このほか,発明の保護奨励策としての特許法の改正の検討,注目発明の選定・公表とか,製品の品質向上,能率の増進および使用・消費の合理化に寄与する日本工業規格(JIS)等の各種標準化制度の普及徹底などを通じて,ひろい意味の科学技術振興の基盤の整備が進められた。


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