ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
 
第1章  政府の施策
4  科学技術人材の養成および処遇


技術革新をになう科学技術者の,養成にあたつては,高度の専門知識を備えた科学技術者の量的確保を図るばかりでなく,豊かな創造的資質を有する科学技術者を養成するという質的な面での人材の育成が重要である。さらに,今日の科学技術者には豊かな人間性に裏うちされたひろい教養と協調性とが要求されている。また,養成された人材について,その能力が十分に発揮されるようにその活用を図る必要がある。

最近,理工学系学生の増員が毎年計画的に行なわれたため,科学技術者の不足は大勢としては漸次解消に向つているといえるが,今後は,,専門分野別および教育段階別に需給の均衡を図ることが重要である。そこで,これまでの理工学系学生増募計画や今後の社会的需要の動向を考慮し,さらに昭和41年度から見込まれる大学入学志願者の急増問題をも勘案しつつ41年度までに国立大学約1万人を目標に増募を行なうこととし,理科系の学生数の比率を高める方向で,40年度約3,400人,41年度約4,600人の学生の増募を行なつた。また,理科系学部の創設,文理学部の改組,学科の新設および拡充改組等を図るとともに,既存の大学院専攻課程の増設,理・工・薬・農学の分野で充実された大学における大学院修士課程の設置,講座・学科目の新設,整備および研究施設の新設整備等の措置をとつた。また,中堅技術者の養成機関である工業高等専門学校については,昭和40年度に国立7校を新設し,41年度においては国立高等専門学校の規模の拡充,学生の増募を行なうなど一層の整備充実を図つた。

次に,大学教育における公立,私立大学の果たす役割の重要性にかんがみ,特にこれらの理科設備および研究設備の整備等に対し重点的な助成策を講じた。

さらに,高等教育機関における科学技術教育の充実の見地から,多人数教育の導入について検討を進め,昭和41年度から一部実施に移されることになつた。

社会の各分野においてすでに業務に従事している科学技術者,技能者等が急激な科学技術の進歩に適応していくためには再教育・再訓練の機会を与えることが重要であるが,産業技術教育の近代化の一環としてプログラム学習方式,ティーチングマシン等による技術者の新しい教育・訓練方法の開発についての推進が図られてきた。

また,国立の大学および試験研究機関の行なう研究の重要性が増しているにもかかわらず,これら研究機関に勤務する者の待遇・研究環境などが,必ずしも満足すべきものでなく優れた研究者等の確保が困難になつてきている。優秀な研究者等を確保し研究を効率的に進めていくためにも,これら機関で研究に従事しいる研究者等の地位の向上を図るとともに,研究者がその能力を十分に発揮し,安んじて研究に専念しうるような処遇を行なうことが強く要望されている。これら研究者等の処遇の改善を図るため,科学技術庁は,毎年人事院に対して研究公務員の処遇改善に関する要望を行なつてきているが,昭和40年度は特に中堅職員の優遇を考慮した研究公務員等の俸給の引き上げを中心として要望を行なつた。その結果,人事院勧告において「研究職については従来から研究能力に応ずる処遇改善の途が開かれているが,その適切な運用について一層の推進を図る必要がある。」旨が述べられ研究能力に応ずる処遇を行なうことの重要性が認められ,研究者の俸給の6.5%の引上げ,一部の所長の指定職への格上げ,上位等級の定数の増加,特別調整額の適用者の増加および技能職員の俸給の大幅引き上げ等が行なわれた。なお,41年度において,さらに改善の必要があるので,同様の趣旨について人事院に対して要望を行なつた。

また,処遇改善については文部省においても,国家社会における教育研究の重要性にかんがみ,これのにない手である大学教官の待遇改善について,毎年人事院に対して要望を行なつている。昭和40年度にも,研究公務員と同様,助教授および講師等中堅教官の待遇改善および助手の初任給の引き上げなどについて要望を行ない,同年における人事院勧告において考慮が払われた。さらに41年度においても,一層の改善を実現すべく,人事院に対し重ねて同趣旨の要望を行なつた。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ