ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
 
第1章  政府の施策
1  科学技術関係の予算


政府が支出している予算には,一般会計歳出予算の主要経費予算のうえで,科学技術振興費として特掲されているものがある。この科学技術振興費は,1)国立試験研究機関経費,2)原子力関係経費,3)試験研究補助金,委託費等および4)科学技術関係行政費等からなつている。

その年次推移は, 第1-1図 に示すとおりであり,その総額は,昭和39年度422億円,40年度440億円,41年度には,年度当初成立予算額で533億円となつており,毎年着実に増加している。昭和40年度にはやや伸びが鈍化したが,41年度は20%をこえる増加を示しており,科学技術振興費は,過去10年間にほぼ5倍に増加している。

これを国の予算総額に占める割合でみると, 第1-2図 に示すごとく昭和33年度の1.6%をピークにして次第に低下を示し,39年度1.3%,40年度1.2%,41年度1.2%と,最近はほぼ横ばいに推移している。

第1-1図 科学技術関係予算の推移

第1-2図 科学技術関係予算の国の予算の占める割合

この科学技術振興費の内訳別の推移を示すと, 第1-3図 のとおりである。科学技術振興費の約半分を占めている国立試験研究機関経費は,研究員当積算庁費(人当研究費)の増額や施設設備の充実などを中心に年々かなりの増加を示しており,昭和39年度の230億円から,40年度は246億円となり,さらに41年度には284億円に達している。原子力関係費は,科学技術振興費全本体の約4分の1近くを占めており,昭和40年度は107億円,41年度には日本原子力研究所の整備などを中心に総額127億円に達し,過去10年間にほぼ10倍近い増加を示している。そのほか,補助金,委託費等については,昭和41年度から大型工業技術研究開発費が新規計上され,また,行政費関係費でも研究公務員等の国内および海外留学費,特別研究促進調整費および特殊法人に対する出資金等の増額が図られるなど,いずれも着実な増加を示している。補助金等の助成費は科学技術振興費のほぼ15%を,また行政費その他は約10%をそれぞれ占めている。

第1-3図 科学技術振興費の推移

一方;国際比較を行なう場合などには上記の科学技術振興費に,大学等における教官の研究活動および大学の研究施設の整備ならびに防衛関係の研究活動など,ひろい意味の科学技術振興に要する経費を含めた科学技術振興関係費を算出する方法がとられや。

科学技術振興費以外の関係経費のうち,その大半を占めるあのは,国立大学等の研究関係賀であるが,国立大学の学部,付置研究所,付属病院等の研究関係経費は,昭和39年度の541億円に対して,46年度は626億円,41年度は751億円と年々100億円前後の増加を示している。このほか,防衛庁技術研究本部の経費や国立がんセンター,国土地理院などの経費は,昭和39年度の66億円から,40年度75億円,41年度90億円となつている。また,私立大学の研究関係助成費などを含む補助金等は,昭和39年度32億円,40年度38億円,41年度44億円となつている。さらに南極地域観測事業費や日本学術会議運営費などの行政費その他については,昭和39年度26億円,40年度27億円,41年度12億円となつているが,41年度が前年度の半分以下に減つているのは,40年度の南極観測船「ふじ」,の建造完了等に伴う経費減によるものである。

以上を合計すると,昭和39年度664億円,40年度766億円,41年度898億円となるが,これに前述の科学技術振興費を加えた科学技術振興関係費は,昭和39年度.1,087億円,40年度1,206億円,41年度1,431億円となる ( 第1‐1図 参照)。

さて,大学関係の研究費等を含む科学技術振興関係費は,上述のように科学技術振興費のほぼ2.5倍に達しており,その年々の伸びもここ数年間は年間200億円前後に達し,かなり大幅な伸びを示している。これは,また,対前年度増加率でみると,昭和40年度11%,41年度19%となる。またこの科学技術振興関係費が国の予算に占やる割合は,昭和39年度3.2%,40年度3.2%,41年度3.3%と,3.2%ないし3.3%の水準を維持している ( 第1-2図 参照)。

これらの科学技術関係予算の推移を総括的に示したものが第1-1表であり,これを研究機関の経費,補助金等,行政費その他,国立大学経費の各項目に分類したのが 第1‐2表 である。

なお,昭和40年度および41度の科学技術振興関係費を省庁判に示せば, 第1-3表 のとおりである。昭和40・41年度とも文部省関係が全体の約60%近くで一番多く,そのうち,国立大学関係経費がその大部分を占めており,科学技術振興関係費に占める基礎的研究費のウエイトの大きいことが示されている。次に大きいのは科学技術庁関係であるが,全体の約14%を占めており,このうち,約60%は原子力関係予算である。

第1-1表 科学技術関係予算の推移

第1-2表 科学技術振興関係費の主要経費別推移

第1-4図 科学技術振興関係費の推移

次に,主要国における科学技術振興関係の予算と,それが政府予算全体に占める割合を比較したものを 第1-4表 に示す。各国の事情によつて科学技術振興予算の定義,内容が多少異なるため,これらをただちに比較することは適当でないが,一応の目安として参照してみると,わが国は3.3%(1966年度)で,アメリカの15.4%(1965年度),フランスの9.2%(1966年度)はもちろん,イギリスの6.3%(1966年度),ソ連の6.2%(1966年度)に比べてもまだかなり低いことがわかる ( 第1-5図 参照)。

また,これを科学技術振興予算の絶対額において比較しみてると, 第1-6図 に示すごとく,その差は一層大きく開いている。もちろん,アメリカ,ソ連はじめ他の国々においては,これらの予算に国防関係研究費が相当部分含まれていることを考慮しなければならず,単純な数値の差だけから国際比較をすることには問題があるが,これらの数値からでもおおよその傾向をつかむことは可能であろう。

第1-3表 昭和40・41年度省庁別科学技術振興関係費

第1-4表 主要国の政府予算に占める科学技術関係予算の割合


第1-5図 主要国における科学技術関係予算の対総予算比率

さらに,国全体の研究投資に占める政府負担の割合を比較してみると,後述 ( 第2章3参照 ) のとおり,ソ連を除き,アメリカ,イギリス,フランス等の先進諸国では,国全体の研究投資の60%前後を政府が負担している。これに対して,わが国の政府の研究関係支出は,年々増加をみているものの,なお国全体の研究投資の30%程度の水準にどどまつている。しかしながら,今後は,研究活動の大規模化などに伴い,民間企業の研究投資の負担能力において相当の困難が予想され,この面からも国の研究活動に占める政府の役割が一層増加していくことが考えられる。特に巨額の経費と長期間を要するような基礎研究や大型工業技術研究,さらに国家的要請に基づいて推進する必要のある宇宙・原子力の研究や国民福祉向上のためのがん・防災等の研究などが増加するすう勢にあるので,国全体の研究費に占める政府負担割合は,漸次増大していくものと予想される。この点については,昭和41年8月の科学技術会議の「科学技術振興の総合的基本方策に関する意見」で,これらの分野に対し,政府が財政の許す限り研究費支出を極力拡大する必要のあることが強調されている。

第1-6図 主要国の科学技術関係予算の推移


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ