ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
2部   科学技術人材
第9章  諸外国の動向
6  イタリア


西欧先進国の中では,比較的教育の普及が遅れており,近年義務教育8年の制度が設けられている。その上のコースとしては,高校または工専の3年,大学4〜6年がある。

工業要員としては,中学卒業者が工員となり,工専卒および大学卒が科学技術者となる。大企業は,教育訓,練のための設備を持ち,新入社員等の教育を行なつている例もある。また,特殊な例として,大学卒業後10年位たつてから契約で会社に雇われることもあり,やはりこの国でも能力主義が徹底しているものと考えられる。

それだけにまた本人の能力をフルに発揮させるための適材適所が重要視され,そのためには厳格なテストも行なわれる。

なお,イタリアは相当の失業者を抱えていたが,これらを対象とした技能者訓練が行なわれており,その費用は労働省と企業が共同で負担している。

この国の教育の特長として,高校時代にラテン語とギリシャ語を教え込まれるが,これは物の考え方を培う上に非常に有効であるといわれる。また卒業試験も難しく,一課目の不合格も許されず,そのため大学の入試の方は特殊の課目を除いては行なわれない。

企業もこのような物の考え方を養う教育を支持し,これがさらには企業の発展をもたらすものであると信じている。

一般的にみて,科学技術人材の不足はさほどみられず,企業の需要は国内でほとんどまかなわれる状態である。

しかし,(1)多くの科学技術者がその資格にそぐわない職場に従事しており,(2)技術的・経済的理由にもとづいて,大企業が若い学卒者を雇用し,これを企業の特別の要求に沿つて教育する傾向にあり,高度の有資格人材を雇用する機会はほとんどないといわれており問題とされている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ